講演情報
[14-O-D005-08]メリハリの付いた生活を目指して
*牧村 大祐1、鷲見 弥生1、弓川 妙子1、小田中 美月1、澤田 明日美1、高木 万琴1 (1. 岐阜県 介護老人保健施設岐阜リハビリテーションホーム)
入所当時のH様は誤嚥性肺炎で5カ月弱の入院生活で、廃用症候群を併発され、ADL低下により、生活全般に全介助が必要になりベッド上生活をされていた。昼夜問わず、独語があり。危険認知度が低くベッドより足を降ろす行為が見られた。「起きたい」「トイレにいきたい」と本人より訴えあり。本人の訴えに寄り添えるよう、スタッフで話し合い実施したことにより、ADLの改善が見られた為、ここに報告する。
【はじめに】入所当時のH様は誤嚥性肺炎で5カ月弱の入院生活で、廃用症候群を併発され、ADL低下により、生活全般に全介助が必要になりベッド上生活をされていた。昼夜問わず、独語があり。危険認知度が低くベッドより足を降ろす行為が見られた。「起きたい」「トイレにいきたい」と本人より訴えあり。本人の訴えに寄り添えるよう、スタッフで話し合い実施したことにより、ADLの改善が見られた為、ここに報告する。【対象者紹介】90歳女性。体動困難となり入院。誤嚥性肺炎と診断される。廃用症候群により、ADL低下が進みベッド生活となっている。既往歴として高血圧症・白血病・幻聴・パーキンソン病症候群があり。HDS-R7点・要介護度5・障害老人の日常生活自立度C2・認知症量人の日常生活自立度3a【方法】1 離床時間を少しずつ増やせるよう、食事・おやつ以外の時間で離床時間を作る。離床間中起きるだけではなく、他者とのコミュニケーションを図り、パズル、色塗りを促す。2 職員が多い昼食より、食事時間も離床する。離床し食事できる機会を徐々に増やす。3 食事が自己摂取できるよう、そばで付き添い、見守り・声かけを行う。4 少しずつ自己駆動を促す。5 リハビリにて立位訓練を行い、トイレにて排泄できるよう支援する。定時・希望時の排泄介助を行う。【結果】障害老人の日常生活自立度B2 HDS-R 10点 介護度4午前・午後に1時間程度の休息時間は取るが、日中は車椅子に乗車、離床し、他者と一緒に過ごすようになった。日中離床時間を増やすことにより、夜間の睡眠確保が出来るようになり、独語が減り、危険行動がなくなった。他者と一緒にパズルを行い、会話する機会が増え、笑顔もみられるようになった。食事を食堂で摂取できるようになり、全介助であった食事介助が自己摂取できる様になった。食堂⇔ディルーム間車椅子の自己駆動が出来るようになった。「おしっこいきたい」「うんこがしたい」と排泄の訴えが出来るようになり、失禁はあるが日中トイレでの排泄が出来るようになった。【まとめ】今回の取り組みによりベッド上生活から、昼夜メリハリのついた生活に改善出来たことが本人のADL向上につながった。本人の「起きたい」という思いに寄り添って行動することが出来たことで、スタッフのやる気にもつながった。現在の入所のほとんどがベッド上生活に近い状態で入所される事が多いなかで本人の気持ちに寄り添いながら支援していきたいと思う。