講演情報
[14-O-P206-01]ベトナム人介護主任として1年経過して
*PHAM THI LAN1、河田 教晴1 (1. 大阪府 介護老人保健施設知恵の和苑)
ベトナム人介護主任として1年が経過し他部署と調整連携する中で経験した事をベトナム人目線で報告する。また、主任業務に従事し管理職の心構えを持ち部下への注意指導方法も学び、他部署と連携時に介護部署の意見を会議で発言する事。決定事項を部下に周知する事の難しさ。ベトナム人主任だから仕方がないではなく日本人主任と同等に認められること。利用者家族に受け入れられることの難しさとして感じたことを報告する。
【はじめに】
昨年の老健大会において「ベトナム人介護職員から見た日本の介護」という演題で発表したベトナム人介護職員です。今年は昨年の老健大会発表前の7月に老人保健施設入所部門のフロア主任としての任を受け、約1年3階フロア主任として従事し管理職として日本人介護職員と一緒に御入居者様への介護業務と御入居者様家族と接する中で経験し、苦労したこと、またその取り組みを発表したいと思います。
まずは私が在籍している知恵の和苑についてご紹介します。ご入居様定員70名、看護介護職員は、29名内日本人は19名、ベトナム人は10名です。比較的ベトナム人介護職員が多い施設です。
【目的】
その中でも、看護介護職員だけではなく医師、介護支援専門員、支援相談員、機能訓練職員、管理栄養士などの施設の専門職員、外部連携の歯科医師や、歯科衛生士等と、会議や情報連絡などを通して日本人専門職員との関わりや、介護主任とし御入居者様御家族と連絡すること。また介護主任として日本人や、ベトナム人の新人教育や、業務管理等で苦労したことや、学んだことを私の経験を踏まえ、今後、自分を含めたベトナム人介護職員が、介護施設のなかで活躍していくために必要な事項を伝えたいと感じ発表します。
【方法】
私は、「ベトナム人だからこれぐらい伝われば十分。」「ベトナム人だから仕方がない。」ではなく、日本人と同じ基準で業務を従事していかないといけないと考えております。
その中でまず初めに一般職とは違い主任として取り組み苦労したことは、業務や御入居者様の介護の方針を決めていく中で、個々に違う考えを持った介護職員の意見を集約することや、自分の考えを伝えていくことに苦労しました。当初は、日本語能力は自分なりに高いと感じていましたが、会議の展開や、日本人が伝えたいニュアンスが理解できず、纏めきれないことも多々ありました。そのようなことについては一つ一つ理解、確認しながら進めることで、少しずつ纏められるようになってきていると感じていますが、今もまだ介護係長に頼ることが多いです。今後はいち早く理解できるよう、粘り強く分からないことについて想像で判断するのではなく、物事、考え方、ニュアンスを理解して進めていこうと考えています。また介護部門として意見を纏めていく中で、他部署との調整を進めていくことについても苦労しています。業務調整や、御入居者様へのケアは介護施設において大変重要なことだと理解しています。自分が介護部門としての意見を他部署に伝え、他部署と調整したことを次は日本人を含めた介護職員に指示、指導していく、またその内容を正確に伝え実行していくことこそが重要なことだと感じています。今はまだ他の日本人介護職員の方にサポートしてもらっていますが、多くの場面を経験し早く適切な対応、伝達ができるように頑張っていきたいと考えています。
次に、御入居者様家族への報告、連絡、相談です。主任になるまでは行っていなかった業務です。御家族様に連絡するようになって伝える言葉を覚えるのではなく、何をどのように伝えないといけないのか、正しい敬語が使えているのかを注意し取り組んでいます。今はまだ伝えるタイミングで準備ができていますが、今後の面会緩和では御家族様が入居フロアに来られることとなり、より御家族様と接する機会も増えることが想定されます。今までの電話での対応では事前に伝えることを整理し、分からないこと複雑なことは日本人介護職員や、上長に相談してから纏めて伝えることができていますが、突然質問され適切に応えることができるのか、また簡単に短く重要な事項を明確に応えられるかが心配で訓練しています。
次に、苦労したことは新人職員や、先輩介護職員への指導、教育です。ベトナム人介護職員が多く入職しましたが日本人介護職員も入職してきています。ベトナムでは年上に敬意を払うことはとても重要な社会のルールです。その中で施設に年上ベトナム人介護職員や、日本人が入職した際のOJTでは、当初遠慮はありましたが、遠慮して職員によって指導格差があることに対して注意を受け、今は主任として遠慮なく指導するように心掛けています。また自分が遠慮して指導格差がでることにより職員間で優劣が出してしまうことを学びました。
また当初は日本人の先輩が間違えたり、失敗したことも上長に報告し注意することを任せていました。今は主任として自分が指摘しないといけないと理解し遠慮なく注意、指摘するように心掛けています。
【結果】
まだまだ主任として一人前になれているとは感じていません。一般職の時はできていたことが主任になってできていないと感じることも多くあります。また、施設内では自分がベトナム人介護職員の先駆者として他のベトナム人のモデルにならないといけないと感じています。施設内では日常業務においては日本人介護職員もベトナム人介護職員も同等の業務を行っており問題ないかと思いますが、御家族様対応、他事業者、他部署からの連絡、緊急時の対応などは、まだまだ限定的なベトナム人介護職員や日本人介護職員が対応することが暗黙の了解として行われています。その逆としてベトナム人介護職員にだけ任されている業務はありません。
【考察】
知恵の和苑では日本人介護職員とベトナム人介護職員の給与基準は同じです。私は同じ給料をもらって仕事するからには、ベトナム人だからできなくて良い業務、日本人だけがすれば良い業務があってはいけないと考えています。私の主任としての業務も同じですが、同じ知恵の和苑の介護職員として日本人介護職員、ベトナム人介護職員が同じ仕事が出来るよう、また次の管理職がベトナム人から出せるようにモデルとなり、知恵の和苑介護職員全体の底上げを図っていきたいと考えています。
昨年の老健大会において「ベトナム人介護職員から見た日本の介護」という演題で発表したベトナム人介護職員です。今年は昨年の老健大会発表前の7月に老人保健施設入所部門のフロア主任としての任を受け、約1年3階フロア主任として従事し管理職として日本人介護職員と一緒に御入居者様への介護業務と御入居者様家族と接する中で経験し、苦労したこと、またその取り組みを発表したいと思います。
まずは私が在籍している知恵の和苑についてご紹介します。ご入居様定員70名、看護介護職員は、29名内日本人は19名、ベトナム人は10名です。比較的ベトナム人介護職員が多い施設です。
【目的】
その中でも、看護介護職員だけではなく医師、介護支援専門員、支援相談員、機能訓練職員、管理栄養士などの施設の専門職員、外部連携の歯科医師や、歯科衛生士等と、会議や情報連絡などを通して日本人専門職員との関わりや、介護主任とし御入居者様御家族と連絡すること。また介護主任として日本人や、ベトナム人の新人教育や、業務管理等で苦労したことや、学んだことを私の経験を踏まえ、今後、自分を含めたベトナム人介護職員が、介護施設のなかで活躍していくために必要な事項を伝えたいと感じ発表します。
【方法】
私は、「ベトナム人だからこれぐらい伝われば十分。」「ベトナム人だから仕方がない。」ではなく、日本人と同じ基準で業務を従事していかないといけないと考えております。
その中でまず初めに一般職とは違い主任として取り組み苦労したことは、業務や御入居者様の介護の方針を決めていく中で、個々に違う考えを持った介護職員の意見を集約することや、自分の考えを伝えていくことに苦労しました。当初は、日本語能力は自分なりに高いと感じていましたが、会議の展開や、日本人が伝えたいニュアンスが理解できず、纏めきれないことも多々ありました。そのようなことについては一つ一つ理解、確認しながら進めることで、少しずつ纏められるようになってきていると感じていますが、今もまだ介護係長に頼ることが多いです。今後はいち早く理解できるよう、粘り強く分からないことについて想像で判断するのではなく、物事、考え方、ニュアンスを理解して進めていこうと考えています。また介護部門として意見を纏めていく中で、他部署との調整を進めていくことについても苦労しています。業務調整や、御入居者様へのケアは介護施設において大変重要なことだと理解しています。自分が介護部門としての意見を他部署に伝え、他部署と調整したことを次は日本人を含めた介護職員に指示、指導していく、またその内容を正確に伝え実行していくことこそが重要なことだと感じています。今はまだ他の日本人介護職員の方にサポートしてもらっていますが、多くの場面を経験し早く適切な対応、伝達ができるように頑張っていきたいと考えています。
次に、御入居者様家族への報告、連絡、相談です。主任になるまでは行っていなかった業務です。御家族様に連絡するようになって伝える言葉を覚えるのではなく、何をどのように伝えないといけないのか、正しい敬語が使えているのかを注意し取り組んでいます。今はまだ伝えるタイミングで準備ができていますが、今後の面会緩和では御家族様が入居フロアに来られることとなり、より御家族様と接する機会も増えることが想定されます。今までの電話での対応では事前に伝えることを整理し、分からないこと複雑なことは日本人介護職員や、上長に相談してから纏めて伝えることができていますが、突然質問され適切に応えることができるのか、また簡単に短く重要な事項を明確に応えられるかが心配で訓練しています。
次に、苦労したことは新人職員や、先輩介護職員への指導、教育です。ベトナム人介護職員が多く入職しましたが日本人介護職員も入職してきています。ベトナムでは年上に敬意を払うことはとても重要な社会のルールです。その中で施設に年上ベトナム人介護職員や、日本人が入職した際のOJTでは、当初遠慮はありましたが、遠慮して職員によって指導格差があることに対して注意を受け、今は主任として遠慮なく指導するように心掛けています。また自分が遠慮して指導格差がでることにより職員間で優劣が出してしまうことを学びました。
また当初は日本人の先輩が間違えたり、失敗したことも上長に報告し注意することを任せていました。今は主任として自分が指摘しないといけないと理解し遠慮なく注意、指摘するように心掛けています。
【結果】
まだまだ主任として一人前になれているとは感じていません。一般職の時はできていたことが主任になってできていないと感じることも多くあります。また、施設内では自分がベトナム人介護職員の先駆者として他のベトナム人のモデルにならないといけないと感じています。施設内では日常業務においては日本人介護職員もベトナム人介護職員も同等の業務を行っており問題ないかと思いますが、御家族様対応、他事業者、他部署からの連絡、緊急時の対応などは、まだまだ限定的なベトナム人介護職員や日本人介護職員が対応することが暗黙の了解として行われています。その逆としてベトナム人介護職員にだけ任されている業務はありません。
【考察】
知恵の和苑では日本人介護職員とベトナム人介護職員の給与基準は同じです。私は同じ給料をもらって仕事するからには、ベトナム人だからできなくて良い業務、日本人だけがすれば良い業務があってはいけないと考えています。私の主任としての業務も同じですが、同じ知恵の和苑の介護職員として日本人介護職員、ベトナム人介護職員が同じ仕事が出来るよう、また次の管理職がベトナム人から出せるようにモデルとなり、知恵の和苑介護職員全体の底上げを図っていきたいと考えています。