講演情報

[28-O-J008-01]配膳ミス防止のための改善活動報告当施設の取り組み

富山県 酒井 博子1, 坂井 亜紀1, 榮 朋子2, 田上 奈穂美3, 島 健一朗3, 亀井 哲也1 (1.介護老人保健施設みどり苑, 2.西能みなみ病院, 3.日本海給食株式会社)
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【はじめに】
当施設は併設の同法人療養型病院と併せて合同調理場という形をとり厨房を設置している。また、調理業務を外部委託している。昨年7月頃から食形態間違いやアレルギー対応の間違い等のインシデント発生が月7件と急増し、上半期6か月では21件のインシデントが起きた。安全な食事提供を目指し、委託給食会社と共同で配膳ミス防止の取り組みを行ったのでその経過を報告する。
【期間】
令和6年7月~12月
【改善活動内容】
(1)インシデント内容を厨房全職員で共有した。
(2)(1)の全ケースをKJ法を用い、厨房全職員で要因分析を行い問題点を抽出した。それらを調理・盛付・配膳・確認の各グループ毎に分け、対策をまとめた。
(3)委託給食会社責任者と施設管理栄養士で対策ミーティングを実施した。また、委託給食会社本部職員とも別途話し合いを行い、他事業所での対策事例などを共有した。
【KJ法要因分析と対策】
(調理)
・献立確認不足:献立表を事前配布して予習できるようにした。
・献立表の見にくさ:厨房内の2か所の献立表を同一様式にした。
・調理と配膳との連携不足:特別指示のある料理は口頭伝達に加え、料理に目印をつけた。
(盛付)
・調理品の確認不足:食器の色や数でわかりやすくした。
・食札の見にくさ:食札の色、大きさを変更した。
・個別対応の複雑化:可能な個別対応の基準作りを行った。
(配膳)
・アレルギー対応マニュアル不作成:マニュアル作成と栄養管理委員会での報告を行った。
・目視のみの確認方法:一覧表による個別対応必要数と食器数を合致させた。
(確認)
・確認体制の不備:委託給食会社栄養士2名体制で点検を行っていたが、調理師も点検に加わった。併せて新規利用者、アレルギー対応食、食事変更時、食札作成時は施設管理栄養士も点検に加わった。
【その他の対応】
・アレルギー対応食間違い・食形態間違い・賞味期限切れ食品の使用などの重大インシデント発生時の連絡体制が機能しないことに対し、インシデント発生時の連絡フローチャートを作成し、掲示・周知した。
・食事変更の時間の取り決めを行った。以前は可能な限り全ての食事変更を受け付けていたが、取り決め後、食事変更は随時受付を行うが、緊急時を除き、夜間・土日祝日は食事変更を受け付けない事とし、食事変更の締切り時間を明確にした。
【結果】
インシデント発生件数は2024.4月~2024.9月までの6か月間では21件だったが、その後の6か月では10件に減少した。
【考察】
厨房全職員が問題を共有し、1人1人が課題を洗い出し、原因と対策を考えることによりインシデントを自分事として考えられるようになった、との声が職員から聞かれた。配膳ミス防止についての意識が高まったことが配膳ミス減少に繋がったと考える。また、個人の努力に加え、療養棟に協力を得て、ミスが起こりにくい環境を整える等、施設全体での取り組みが急な食事変更に対する厨房職員の混乱を減少させたと考える。
【終わりに】今年度より新たに施設に調理師を配置し配膳確認を行っている。今後も施設全体・委託給食会社が連携し職種を越えた協力体制の元で食の安全性を担保すべく更に一体化した配膳ミス防止の取り組みを行い、安心安全な食事提供を実現していきたい。