講演情報

[22-O-J4K1-02]腎臓病食の見直しに向けた取り組み

*杉林 知美 (東京都 オネスティ南町田)
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【背景】
腎臓病食は蛋白質を抑える代わりとして、脂質や炭水化物でエネルギーを補う治療食である。腎臓を保護するためには、高齢者施設などにおいては食事提供量を全量摂取してエネルギー不足にならないことが求められている。
【目的】
当施設ではエネルギーを補う為、ロシアンティー(136kcal/約140ml)を献立に組み込み、手作りして提供していたが、利用者が飲み切れていない、飲み切っても嘔吐してしまうなどの問題点があった。また、医師からも改善が必要ではないかとの意見があり、見直す事とした。その取り組みについて報告する。
【方法】
①現行の献立「腎臓病食Ⅰ」「腎臓病食Ⅱ」についての設定を見直す。
②ロシアンティーの代替方法を挙げる。
③厨房職員の作業性、金額面、栄養量が適切であるかの確認をし、決定する。
【結果】
①腎臓病食の設定を現行の「腎臓病食Ⅰ」(蛋白制限50g/日)、「腎臓病食Ⅱ」(蛋白制限40g/日)の2種類をまとめ、1種類とし、蛋白制限を45g/日の設定に変更した。
②ロシアンティーの代替品として日清MCTオイルを採用し、毎食5gを主食に添加して提供することとした。15g/日使用し、135kcal/日補えた。また、減塩の汁物を提供することとし、基準の1600kcalの±5%以内に収まった。
③厨房職員の作業性は、ロシアンティーのように加熱や、利用者によってトロミを付ける必要がなくなり、作業負担が軽減した。また、ロシアンティーは水、紅茶、粉飴、イチゴジャムの4種類の食材が必要であることに対し、MCTオイルのみで完結できる。金銭面もロシアンティーが74円/日に対しMCTオイルが66円/日となり、コストを抑えられた。
④MCTオイルが主食に添加されていることにより、普段通り主食が食べられれば蛋白制限により不足したエネルギーが補える。腎臓食の変更後も主食を含めた全量摂取が維持されており、味も変わりないとの声が聞かれている。
【結論】
今回、腎臓病食を見直したことにより、利用者、厨房職員の負担が軽減でき、必要な栄養素を損なうことなく、適切な栄養管理を継続することができた。