講演情報
[11]静的立位バランス制御における足関節・股関節戦略の貢献度の定量化と関連因子の検討
*榎 勇人1、園部 元康2、長野 美羽3、近藤 寛1,3、竹林 秀晃1,3、岡部 孝生1,3、奥田 教宏1,3 (1. 高知健康科学大学 健康科学部リハビリテーション学科理学療法学専攻、2. 高知工科大学 大学院工学研究科基盤工学専攻、3. 土佐リハビリテーションカレッジ 理学療法学科)
キーワード:
静的立位バランス、股関節戦略、足関節戦略
【はじめに,目的】足関節戦略(AS)と股関節戦略(HS)は姿勢制御に関与するが,静的立位における両戦略の貢献度を定量的に示した報告は少ない.近年,Sonobeらは二重倒立振り子モデルに基づき両戦略を抽出可能な重心動揺計を開発し,理論上の貢献度を推定した.本研究では,同装置を用いて静的立位制御における両戦略貢献度を定量化し,体格との関連を検討した.
【方法】対象は健常成人31名(20.8±1.1歳).重心動揺計測は,テック技販社製フォースプレートと頭部慣性センサを用いた.裸足自然開脚立位で開・閉眼各40秒測定(100Hz)した後,前後5秒を除く30秒間を解析した.指標は二乗平均平方根で求めた矢状面の重心変位・加速度,復元力,HS・AS量,HS/AS比,両戦略頭部加速度相互相関係数(CC-H)とした.HS・AS量は頭部(H)と重心(COM)の加速度にて求め,CC-Hは正値で同位相,負値で逆位相を示す(重心加速度ではこの関係が逆転).また体格評価は,TNITA社製マルチ周波数体組成計を用いて体組成(体重,BMI,体脂肪率,骨格筋指数,筋位相角)を評価した.統計はWilcoxon符号付順位検定とSpearmanの順位相関係数を用いた(有意水準5%未満).
【倫理的配慮,説明と同意】所属機関倫理審査会で承認後に実施し(承認番号KHSa25x16),対象者には書面で説明のうえ署名による同意を得た.
【結果】重心動揺指標の中央値(開眼/閉眼)は,重心変位2.5/3.0mm,重心加速度7.1/10.2 mm/s²,復元力2.4/5.5,HS-H17.4/20.5 mm/s²,AS-H9.8/13.8 mm/s²,HS-COM2.8/3.3 mm/s²,AS-COM5.7/7.9 mm/s²,HS/AS(H) 1.52/1.34,HS/AS(COM) 0.44/0.39,CC-H-0.428/-0.518であり,CC-Hを除く全指標で有意差を認めた.また体組成ではBMIが開眼時の全重心動揺指標と有意に相関し(HS/ASのみ負の相関),閉眼時も同傾向であった.
【考察】CC-Hの結果から,HSとASは頭部で逆位相制御(重心で同位相制御)を行うことが示された.HS/AS(COM)より,開眼時の重心制御にはASがHSの約2.3倍貢献していた.閉眼時は重心加速度の増大に対し,ASを中心に復元力を高めて重心動揺を制御することで,ASの貢献度も約2.6倍に増大した可能性が示唆された.さらに,逆位相制御をしている頭部のHS/AS(H)が1.0に近づいたことから,HSはASにより増加した頭部加速度の相殺に寄与し,頭部安定化をより重視した戦略へ変化する可能性が示された.またBMIの増加は重心動揺を増大させ,HS・ASの制御量増加を招く可能性が示唆された.
【方法】対象は健常成人31名(20.8±1.1歳).重心動揺計測は,テック技販社製フォースプレートと頭部慣性センサを用いた.裸足自然開脚立位で開・閉眼各40秒測定(100Hz)した後,前後5秒を除く30秒間を解析した.指標は二乗平均平方根で求めた矢状面の重心変位・加速度,復元力,HS・AS量,HS/AS比,両戦略頭部加速度相互相関係数(CC-H)とした.HS・AS量は頭部(H)と重心(COM)の加速度にて求め,CC-Hは正値で同位相,負値で逆位相を示す(重心加速度ではこの関係が逆転).また体格評価は,TNITA社製マルチ周波数体組成計を用いて体組成(体重,BMI,体脂肪率,骨格筋指数,筋位相角)を評価した.統計はWilcoxon符号付順位検定とSpearmanの順位相関係数を用いた(有意水準5%未満).
【倫理的配慮,説明と同意】所属機関倫理審査会で承認後に実施し(承認番号KHSa25x16),対象者には書面で説明のうえ署名による同意を得た.
【結果】重心動揺指標の中央値(開眼/閉眼)は,重心変位2.5/3.0mm,重心加速度7.1/10.2 mm/s²,復元力2.4/5.5,HS-H17.4/20.5 mm/s²,AS-H9.8/13.8 mm/s²,HS-COM2.8/3.3 mm/s²,AS-COM5.7/7.9 mm/s²,HS/AS(H) 1.52/1.34,HS/AS(COM) 0.44/0.39,CC-H-0.428/-0.518であり,CC-Hを除く全指標で有意差を認めた.また体組成ではBMIが開眼時の全重心動揺指標と有意に相関し(HS/ASのみ負の相関),閉眼時も同傾向であった.
【考察】CC-Hの結果から,HSとASは頭部で逆位相制御(重心で同位相制御)を行うことが示された.HS/AS(COM)より,開眼時の重心制御にはASがHSの約2.3倍貢献していた.閉眼時は重心加速度の増大に対し,ASを中心に復元力を高めて重心動揺を制御することで,ASの貢献度も約2.6倍に増大した可能性が示唆された.さらに,逆位相制御をしている頭部のHS/AS(H)が1.0に近づいたことから,HSはASにより増加した頭部加速度の相殺に寄与し,頭部安定化をより重視した戦略へ変化する可能性が示された.またBMIの増加は重心動揺を増大させ,HS・ASの制御量増加を招く可能性が示唆された.
