講演情報
[15]UKA術後患者の立脚期骨盤制御に着目した介入により歩容変化を認めた一症例
*松本 猛1、西岡 和也1、河村 龍輝1 (1. 橋本病院 リハビリテーション科)
キーワード:
UKA、歩行、骨盤側方動揺
【はじめに,目的】
Unicompartmental Knee Arthroplasty(UKA)術後患者では,歩行速度などの歩行能力改善を認める一方で,立脚期における体幹・骨盤制御異常が残存することがある。特に立脚中期における過剰な骨盤側方動揺は支持性低下や歩行効率低下につながる可能性があり,骨盤アライメントを含めた姿勢制御戦略への介入が重要と考えられる。また,大腰筋は,腰椎・骨盤安定化や股関節中心化への関与が報告されている。今回,UKA術後患者に対して立脚期の骨盤制御戦略に着目し,大腰筋機能を考慮した骨盤アライメント修正を目的に短期介入を実施した結果,歩行時の過剰な骨盤側方動揺に変化を認めたため報告する。
【方法】
対象は右UKA術後の80歳代女性。病前ADLは自立。術後28病日に回復期病棟へ入院となった。48病日目から2日間の短期介入として骨盤アライメント修正を目的とし、大腰筋機能を考慮した介入を実施した。具体的には,骨盤前傾位および腰椎前弯位を保持した状態での端坐位下肢挙上練習,長坐位での体幹保持練習を実施した。介入前後で姿勢および歩行動画を比較し,歩行時の過剰な骨盤側方動揺および立脚期の歩容変化を観察した。介入直近の身体評価として,膝屈曲可動域は右 110°,左135°,大腿四頭筋筋力は右16.3kgf,左17.1kgf,片脚立位は右11秒,左30秒,Berg Balance Scale 49点であった。10m歩行は9.6秒,Timed Up and Go Test 8.6秒で屋内歩行は自立していたが,歩行観察にて右立脚中期に過剰な骨盤側方動揺を認めた。立位姿勢評価では,体幹後方偏移、骨盤軽度後傾位であり,骨盤前傾保持困難な姿勢戦略を呈していた。
【倫理的配慮,説明と同意】
本発表にあたり,対象者には発表の趣旨を十分説明し,同意を得た。また,個人情報保護に十分配慮した。
【結果】
介入後,立位姿勢では頭部および肩峰位置の前方化を認めた。歩行では,右立脚中期において側方動揺の軽減を認めた。その後,79病日目に独歩にて自宅退院となった。
【考察】
今回,大腰筋機能を含めた骨盤アライメント修正を目的に介入を実施した結果,頭部、上部体幹の前方化といった姿勢変化,歩行時における骨盤側方動揺の軽減を認めた。UKA術後では骨盤側方偏位や体幹偏位などの代償戦略が残存するとされている。本症例においても,立位姿勢では体幹後方偏位および骨盤後傾で骨盤前傾保持困難な姿勢戦略を呈し,立脚中期での過剰な骨盤側方動揺に繋がっていた可能性が考えられた。本症例では,骨盤前方保持を意識した介入により立脚期における骨盤・体幹制御戦略が変化し,歩容改善につながった可能性が考えられた。本症例より,UKA術後患者に対して筋力や歩行能力のみならず,立脚期における骨盤制御戦略および骨盤アライメントへ着目した介入の重要性が示唆された。
Unicompartmental Knee Arthroplasty(UKA)術後患者では,歩行速度などの歩行能力改善を認める一方で,立脚期における体幹・骨盤制御異常が残存することがある。特に立脚中期における過剰な骨盤側方動揺は支持性低下や歩行効率低下につながる可能性があり,骨盤アライメントを含めた姿勢制御戦略への介入が重要と考えられる。また,大腰筋は,腰椎・骨盤安定化や股関節中心化への関与が報告されている。今回,UKA術後患者に対して立脚期の骨盤制御戦略に着目し,大腰筋機能を考慮した骨盤アライメント修正を目的に短期介入を実施した結果,歩行時の過剰な骨盤側方動揺に変化を認めたため報告する。
【方法】
対象は右UKA術後の80歳代女性。病前ADLは自立。術後28病日に回復期病棟へ入院となった。48病日目から2日間の短期介入として骨盤アライメント修正を目的とし、大腰筋機能を考慮した介入を実施した。具体的には,骨盤前傾位および腰椎前弯位を保持した状態での端坐位下肢挙上練習,長坐位での体幹保持練習を実施した。介入前後で姿勢および歩行動画を比較し,歩行時の過剰な骨盤側方動揺および立脚期の歩容変化を観察した。介入直近の身体評価として,膝屈曲可動域は右 110°,左135°,大腿四頭筋筋力は右16.3kgf,左17.1kgf,片脚立位は右11秒,左30秒,Berg Balance Scale 49点であった。10m歩行は9.6秒,Timed Up and Go Test 8.6秒で屋内歩行は自立していたが,歩行観察にて右立脚中期に過剰な骨盤側方動揺を認めた。立位姿勢評価では,体幹後方偏移、骨盤軽度後傾位であり,骨盤前傾保持困難な姿勢戦略を呈していた。
【倫理的配慮,説明と同意】
本発表にあたり,対象者には発表の趣旨を十分説明し,同意を得た。また,個人情報保護に十分配慮した。
【結果】
介入後,立位姿勢では頭部および肩峰位置の前方化を認めた。歩行では,右立脚中期において側方動揺の軽減を認めた。その後,79病日目に独歩にて自宅退院となった。
【考察】
今回,大腰筋機能を含めた骨盤アライメント修正を目的に介入を実施した結果,頭部、上部体幹の前方化といった姿勢変化,歩行時における骨盤側方動揺の軽減を認めた。UKA術後では骨盤側方偏位や体幹偏位などの代償戦略が残存するとされている。本症例においても,立位姿勢では体幹後方偏位および骨盤後傾で骨盤前傾保持困難な姿勢戦略を呈し,立脚中期での過剰な骨盤側方動揺に繋がっていた可能性が考えられた。本症例では,骨盤前方保持を意識した介入により立脚期における骨盤・体幹制御戦略が変化し,歩容改善につながった可能性が考えられた。本症例より,UKA術後患者に対して筋力や歩行能力のみならず,立脚期における骨盤制御戦略および骨盤アライメントへ着目した介入の重要性が示唆された。
