講演情報
[63]透析患者に対する血液透析中の下肢骨格筋電気刺激が身体機能および転倒自己効力感に及ぼす効果
*越智 一平1、森川 真也1、近藤 元1 (1. 放射線第一病院 リハビリテーション部)
キーワード:
血液透析、ベルト式骨格筋電気刺激、転倒自己効力感
【はじめに】透析患者は,不活動や運動耐容能の低下から骨格筋量の減少や身体機能の低下を来しやすい.透析中の運動療法はこれらを予防・改善する手段として有効だが,心機能低下,透析後の疲労感や意欲低下などにより積極的な運動の実施や継続が困難な症例も少なくない.これに代わる手段として透析中に安全かつ継続可能なベルト式骨格筋電気刺激装置(B-SES)が注目されている.B-SESは広範囲の下肢筋肉を同調し収縮させ,筋萎縮予防や代謝改善効果をもたらす可能性が示唆されている.今回,透析中にB-SESを用いることで身体機能,身体組成,および転倒自己効力感に与える効果を検討した.
【方法】対象は,当院にてリハビリテーション未介入の血液透析患者8名(男性3名,女性5名,平均年齢74.1±11.1歳)とした.介入は,透析中の臥床時間にB-SESを用い,両下肢に対し本人が感じる最大耐性強度で実施した.周波数は20Hz,duty cycleは3秒間刺激後,2秒間休止とした.頻度は週3回,1回20分間とし,期間は3か月間とした.それ以外は普段通りの生活を過ごした.
評価項目は介入前後で,握力,等尺性膝伸展筋力, TUG, SPPB,大腿・下腿周径,超音波による筋厚,FIM,および身体組成を測定した.転倒自己効力感を測定する指標としてModified Falls Efficacy Scale(MFES)を用いた.統計学的解析には対応のあるt検定,Wilcoxsonの符号付き順位検定を用いて有意水準は5%とし効果量(r)も含め算出した.
【倫理的配慮】対象者には書面及び口頭にて研究の目的,方法,個人情報の保護等について十分に説明を行い,署名にて同意を得た.なお,本研究は当院の倫理審査委員会の承認を得て実施した.
【結果】介入前後の比較において,等尺性膝伸展筋力(18.0±7.4から19.3±7.6㎏,p=0.03,r=0.74), MFES(123.6±15.9から130.2±12.9点,p=0.02,r=0.84)で有意差が認められた.握力,TUG,SPPB,身体機能,身体組成に有意差はなかった.なお,期間中にB-SESに起因する重篤な有害事象は認められなかった.
【考察】本研究の結果,3か月間の透析中B-SESにより,刺激部位である下肢筋力の向上とMFESの改善が示された.B-SESによる受動的な電気刺激は,運動継続が難しい透析患者の筋力向上および心理的側面の改善に有効であることが示唆された.一方で,TUGやSPPBなど運動能力に有意差はなかったことから,実際の歩行やADL動作といった複雑な日常生活動作へ汎化させるためには,電気刺激単体によるアプローチだけでは不十分とも考えられた.そのため,B-SESにより向上した筋力を基盤とし,活動・動作へ結びつける介入が必要と考えられる.
【方法】対象は,当院にてリハビリテーション未介入の血液透析患者8名(男性3名,女性5名,平均年齢74.1±11.1歳)とした.介入は,透析中の臥床時間にB-SESを用い,両下肢に対し本人が感じる最大耐性強度で実施した.周波数は20Hz,duty cycleは3秒間刺激後,2秒間休止とした.頻度は週3回,1回20分間とし,期間は3か月間とした.それ以外は普段通りの生活を過ごした.
評価項目は介入前後で,握力,等尺性膝伸展筋力, TUG, SPPB,大腿・下腿周径,超音波による筋厚,FIM,および身体組成を測定した.転倒自己効力感を測定する指標としてModified Falls Efficacy Scale(MFES)を用いた.統計学的解析には対応のあるt検定,Wilcoxsonの符号付き順位検定を用いて有意水準は5%とし効果量(r)も含め算出した.
【倫理的配慮】対象者には書面及び口頭にて研究の目的,方法,個人情報の保護等について十分に説明を行い,署名にて同意を得た.なお,本研究は当院の倫理審査委員会の承認を得て実施した.
【結果】介入前後の比較において,等尺性膝伸展筋力(18.0±7.4から19.3±7.6㎏,p=0.03,r=0.74), MFES(123.6±15.9から130.2±12.9点,p=0.02,r=0.84)で有意差が認められた.握力,TUG,SPPB,身体機能,身体組成に有意差はなかった.なお,期間中にB-SESに起因する重篤な有害事象は認められなかった.
【考察】本研究の結果,3か月間の透析中B-SESにより,刺激部位である下肢筋力の向上とMFESの改善が示された.B-SESによる受動的な電気刺激は,運動継続が難しい透析患者の筋力向上および心理的側面の改善に有効であることが示唆された.一方で,TUGやSPPBなど運動能力に有意差はなかったことから,実際の歩行やADL動作といった複雑な日常生活動作へ汎化させるためには,電気刺激単体によるアプローチだけでは不十分とも考えられた.そのため,B-SESにより向上した筋力を基盤とし,活動・動作へ結びつける介入が必要と考えられる.
