講演情報
[70]教員のマスク着用の有無が学生のパーソナル・スペースに及ぼす影響
―学生指導における心理的距離の検証―
*武市 良子1、土居 誠治1、石川 拓実1 (1. 愛媛十全医療学院 教務科)
キーワード:
パーソナル・スペース、マスク、表情
【はじめに,目的】
コミュニケーションにおいて快適と感じる物理的距離は心理的距離と比例するとされており、相手のパーソナル・スペースを尊重することは信頼関係を構築する上で極めて重要である。コロナ禍を経て日常生活ではマスクを外すことが多くなった一方で、医療の現場ではマスクの着用が義務つけられている場面が多い。本研究ではマスク着用の有無が学生指導にどのような影響を与えるのかをパーソナル・スペースの変動を通して検証した。
【方法】
対象は本学理学療法学科学生のうち、承諾を得られた50名(男性31名 女性19名)。AIで作成した「40代男性」「40代女性」のイラストを基に「微笑んだ顔」「微笑んだ顔にマスクを着用」「無表情」の3種類を用意した。測定は周囲の影響を受けにくい空間で実施。それぞれのイラストを顔の前に持った教員の足元にメジャーを配置、学生から近づき、「これ以上近づくのは不快感がある」と感じた時点の教員と学生との距離を測定した。また、測定の直後に自由記載にて感想を求めた。男性条件および女性条件それぞれについて、3条件間の比較にはFriedman検定を用いた。Friedman検定にて有意差を認めた場合は、Wilcoxon符号付順位検定による事後比較を実施し、Bonferroni補正後の有意水準をp<0.0167とした。
【倫理的配慮,説明と同意】
本研究は理学療法士の職業倫理ガイドライン第15項に遵守し、全対象者に対して本研究の趣旨及び内容を説明し、同意を得た。本研究は本学倫理委員会の承認(承認番号08-04-1)を得て実施した。
【結果】
不快感を抱く平均の距離は、「微笑んだ顔」では男性116.4㎝、女性110.1㎝、「微笑んだ顔にマスクを着用」では男性114.9㎝、女性117.3㎝、「無表情」では男性162.9㎝、女性144.6㎝であった。 Friedman検定の結果、3群間には男性・女性ともに有意差(p<0.01)を認めた。事後比較を行い、男性・女性ともに「微笑んだ顔」と「無表情」の間に有意差(p<0.01)が認められた。一方で「微笑んだ顔」と「微笑んだ顔にマスクを着用」の間には有意差が認められなかった(男性p=0.62 女性p=0.82)。
【考察】
マスク着用の有無はパーソナル・スペースを変動させる要因とはならず、それよりも表情の違いがパーソナル・スペースを拡大させる要因であることが明らかになった。指導場面ではマスクの有無に関わらず、表情(特に目元など)に配慮し学生指導に当たることが重要であることが示唆された。
コミュニケーションにおいて快適と感じる物理的距離は心理的距離と比例するとされており、相手のパーソナル・スペースを尊重することは信頼関係を構築する上で極めて重要である。コロナ禍を経て日常生活ではマスクを外すことが多くなった一方で、医療の現場ではマスクの着用が義務つけられている場面が多い。本研究ではマスク着用の有無が学生指導にどのような影響を与えるのかをパーソナル・スペースの変動を通して検証した。
【方法】
対象は本学理学療法学科学生のうち、承諾を得られた50名(男性31名 女性19名)。AIで作成した「40代男性」「40代女性」のイラストを基に「微笑んだ顔」「微笑んだ顔にマスクを着用」「無表情」の3種類を用意した。測定は周囲の影響を受けにくい空間で実施。それぞれのイラストを顔の前に持った教員の足元にメジャーを配置、学生から近づき、「これ以上近づくのは不快感がある」と感じた時点の教員と学生との距離を測定した。また、測定の直後に自由記載にて感想を求めた。男性条件および女性条件それぞれについて、3条件間の比較にはFriedman検定を用いた。Friedman検定にて有意差を認めた場合は、Wilcoxon符号付順位検定による事後比較を実施し、Bonferroni補正後の有意水準をp<0.0167とした。
【倫理的配慮,説明と同意】
本研究は理学療法士の職業倫理ガイドライン第15項に遵守し、全対象者に対して本研究の趣旨及び内容を説明し、同意を得た。本研究は本学倫理委員会の承認(承認番号08-04-1)を得て実施した。
【結果】
不快感を抱く平均の距離は、「微笑んだ顔」では男性116.4㎝、女性110.1㎝、「微笑んだ顔にマスクを着用」では男性114.9㎝、女性117.3㎝、「無表情」では男性162.9㎝、女性144.6㎝であった。 Friedman検定の結果、3群間には男性・女性ともに有意差(p<0.01)を認めた。事後比較を行い、男性・女性ともに「微笑んだ顔」と「無表情」の間に有意差(p<0.01)が認められた。一方で「微笑んだ顔」と「微笑んだ顔にマスクを着用」の間には有意差が認められなかった(男性p=0.62 女性p=0.82)。
【考察】
マスク着用の有無はパーソナル・スペースを変動させる要因とはならず、それよりも表情の違いがパーソナル・スペースを拡大させる要因であることが明らかになった。指導場面ではマスクの有無に関わらず、表情(特に目元など)に配慮し学生指導に当たることが重要であることが示唆された。
