講演情報
[38]徳島県南部地域における高齢入院患者の機能予後予測に関する検討
‐CT画像を用いた骨格筋量および筋質と在院日数、ADL改善量の関連‐
*阿木 健悟1、井口 俊介1、冨田 沙耶香1、流 雅裕1、浦川 優衣1、丸笹 卓也1 (1. 徳島県立海部病院 医療技術局 リハビリテーション技術科)
キーワード:
画像解析、身体組成、高齢者医療
【はじめに,目的】
近年の徳島県南部地域は,人口減少と高齢化が著しい.身体組成指標が機能予後に関連する可能性は過去に報告されているが,へき地医療圏における介入の予後を検討した研究は十分でない.本研究の目的は,在院日数およびADL改善量に影響を及ぼす因子を明らかにし,予後予測指標を検討することである.
【方法】
対象は令和6年4月〜令和8年3月に当院へ入院し,地域包括ケア病棟へ入棟した患者108例(平均年齢:86.5±7.9歳)とした.L3水平断のCT画像にて,骨格筋面積(以下SMA),平均筋密度(以下HU),左右大腰筋面積(以下PMA),左右大腰筋HU,L4-5間水平断で内臓脂肪面積(以下VFA)・皮下脂肪面積(以下SFA)・内臓脂肪/皮下脂肪比(V/S比)を画像解析ソフトウェアZiostation REVORAS(ZIOSOFT社)を使用し測定した.SMA,PMAは身長の2乗で除した値を四肢骨格筋指数(以下SMI),大腰筋指数(以下PMI)とした.ROIのトレース精度は検者間信頼性を評価し,級内相関係数ICC(2.1)を算出した.連続変数は単変量解析としてSpearmanの順位相関係数,χ2検定を用いて関連性を解析し,多変量解析は目的変数をBI改善量および在院日数とし,説明変数は年齢,PMI,PMAHU,SMI,SMAHU,VFA,SFA,入院時BIを選択し重回帰分析を行った.統計解析にはEZRを使用し,有意水準は5%とした.
【倫理的配慮,説明と同意】
本研究は,ヘルシンキ宣言に基づき実施し,当院倫理審査委員会の承認(承認番号:No2026001を)得た.同意取得に関して,本研究は後方視的研究であり,書面による同意取得は行わずオプトアウト形式とした.
【結果】
PMIとSMI(r=0.549,p<0.001),PMAHUとSMAHU(r=0.735,p<0.001)に正の相関を認めた.重回帰分析は,目的変数がBI改善量では,入院時BI(β=-0.332,p=0.001),SMAHU(β=0.06,p=0.046)に関連を認めた.在院日数では入院時BI(β=-0.143,p=0.02),SFA(β=0.066,p=0.036)と関連があったが,SMAHUは関連がなかった.
【考察】
PMI,PMAHUは筋量,筋質を評価する代替指標となる可能性が示された.身体組成に関しては,筋内脂肪の増加は身体機能/ADL低下と関連する.また,脂肪蓄積は身体活動量の低下や代謝異常,炎症状態を引き起こし,介入効率低下,活動量低下を介してBI改善量の低下,入院期間延長に影響した可能性がある.今回は対象を地域包括ケア病棟患者としたため,在院日数は身体機能以外に,退院支援の介入タイミングや,患者の退院意欲等も影響していると思われるため,今後の研究デザインの課題としたい.
近年の徳島県南部地域は,人口減少と高齢化が著しい.身体組成指標が機能予後に関連する可能性は過去に報告されているが,へき地医療圏における介入の予後を検討した研究は十分でない.本研究の目的は,在院日数およびADL改善量に影響を及ぼす因子を明らかにし,予後予測指標を検討することである.
【方法】
対象は令和6年4月〜令和8年3月に当院へ入院し,地域包括ケア病棟へ入棟した患者108例(平均年齢:86.5±7.9歳)とした.L3水平断のCT画像にて,骨格筋面積(以下SMA),平均筋密度(以下HU),左右大腰筋面積(以下PMA),左右大腰筋HU,L4-5間水平断で内臓脂肪面積(以下VFA)・皮下脂肪面積(以下SFA)・内臓脂肪/皮下脂肪比(V/S比)を画像解析ソフトウェアZiostation REVORAS(ZIOSOFT社)を使用し測定した.SMA,PMAは身長の2乗で除した値を四肢骨格筋指数(以下SMI),大腰筋指数(以下PMI)とした.ROIのトレース精度は検者間信頼性を評価し,級内相関係数ICC(2.1)を算出した.連続変数は単変量解析としてSpearmanの順位相関係数,χ2検定を用いて関連性を解析し,多変量解析は目的変数をBI改善量および在院日数とし,説明変数は年齢,PMI,PMAHU,SMI,SMAHU,VFA,SFA,入院時BIを選択し重回帰分析を行った.統計解析にはEZRを使用し,有意水準は5%とした.
【倫理的配慮,説明と同意】
本研究は,ヘルシンキ宣言に基づき実施し,当院倫理審査委員会の承認(承認番号:No2026001を)得た.同意取得に関して,本研究は後方視的研究であり,書面による同意取得は行わずオプトアウト形式とした.
【結果】
PMIとSMI(r=0.549,p<0.001),PMAHUとSMAHU(r=0.735,p<0.001)に正の相関を認めた.重回帰分析は,目的変数がBI改善量では,入院時BI(β=-0.332,p=0.001),SMAHU(β=0.06,p=0.046)に関連を認めた.在院日数では入院時BI(β=-0.143,p=0.02),SFA(β=0.066,p=0.036)と関連があったが,SMAHUは関連がなかった.
【考察】
PMI,PMAHUは筋量,筋質を評価する代替指標となる可能性が示された.身体組成に関しては,筋内脂肪の増加は身体機能/ADL低下と関連する.また,脂肪蓄積は身体活動量の低下や代謝異常,炎症状態を引き起こし,介入効率低下,活動量低下を介してBI改善量の低下,入院期間延長に影響した可能性がある.今回は対象を地域包括ケア病棟患者としたため,在院日数は身体機能以外に,退院支援の介入タイミングや,患者の退院意欲等も影響していると思われるため,今後の研究デザインの課題としたい.
