講演情報

[34]健康教室への参加が地域在住高齢者の健康増進と関心の持続に及ぼす影響

*田島 一樹1 (1. 三愛病院 リハビリテーション課)

キーワード:

健康教室、継続参加、通いの場

【はじめに,目的】
 わが国では高齢化の進行に伴い、地域在住高齢者に対する介護予防および健康寿命延伸への取り組みが重要視されている。特に、フレイル予防や身体活動量の維持は要介護状態への進行を防ぐ上で重要な課題となっている。そこで、当院でも健康教室の取り組みを通して、運動習慣の継続や健康への関心の持続に向けたアプローチについて検討したため報告する。
【方法】
 当院では貢献活動として地域の高齢者を対象に健康教室を開催している。またその中で、地域の高齢者により多く、気軽に健康教室へ参加できるように近隣の大型スーパーと協業し、令和元年12月より月2回程度、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が講師として専門性を活かしながら、利用者からのニーズも取り入れて健康教室を開催している。今回、当院の健康教室の参加者を対象に介護保険未認定の高齢者22名をランダムに選択して、参加頻度、参加理由、参加による効果や感想、今後の参加意向等について無記名アンケート調査を実施した。基本属性として年齢、性別、独居の有無を調査した。
【倫理的配慮,説明と同意】
 ヘルシンキ宣言に沿って、対象者には得られたデータを研究に使用する旨を説明し、同意を得ている。
【結果】
 対象者の平均年齢は74.7歳(年齢階級の中央値より算出)であった。性別は男性3名、女性19名であり、独居者は12名であった。令和7年度に複数回参加した者の割合は73%であった。参加理由としては、回答者全員が「健康維持のため」と答えており、続いて「体力をつけたい」「内容に興味があった」が多く挙げられた。また「外出機会を増やしたい」「人との交流をしたい」との回答も得られていた。参加による効果や感想としては、回答数の多い順に「健康への意識が高まった」「内容が分かりやすい」「教室に参加すると楽しい」等が挙げられた。今後の参加意向については、「ぜひ続けたい」「できれば続けたい」と回答した方を合わせると95%であった。
【考察】
 健康管理に関心のある高齢者は多く、興味を持てるテーマを提示することで、健康教室への参加の促しに繋がると考えられる。内容としても、健康に関する情報の提供とともに、参加者の年齢層に合わせた運動負荷量とし、かつ自宅でも行いやすい運動方法を指導している。それにより、運動効果を実感しやすく、知識欲も満たされることで参加後の満足感が得られやすいと考えられる。また、スタンプラリー等のイベント性を取り入れることで意欲の維持・向上に繋がると考えられる。そして、継続参加者では社会参加の機会として捉える傾向が認められ、対象者の半数以上が独居であったことからも、健康教室は運動機会の確保に加え、通いの場として社会的孤立の予防にも寄与していると考えられる。今後は継続参加に影響する要因をさらに詳細に分析し、地域在住高齢者の健康増進に資する支援方法を検討していく必要がある。