講演情報
[51]脳卒中患者における機能的電気刺激と短下肢装具の併用が動的バランス能力に与える影響―探索的研究―
*福田 真也1、森 拓人1 (1. 橋本病院 リハビリテーション部)
キーワード:
動的バランス、機能的電気刺激、装具療法
【はじめに,目的】
脳卒中後の歩行再建は、装具療法や機能的電気刺激(functional electrical stimulation: FES)を用いた有効性の報告がある。装具は立脚期の安定性を担保するも、遊脚期の効果は限定的である。これに対し、FESは歩行周期に同期した電気刺激により筋活動を促通し、遊脚期の振り出しに有用であるが、立脚期の安定性には限界がある。先行研究では両者の単独使用での報告が多く、併用療法の検討報告は限られ、動的バランスについては不透明である。このため、装具とFESの併用により、脳卒中片麻痺患者における歩行と動的バランス能力に及ぼす影響を前向きに探索調査した。
【方法】
2026年6月1日~6月30日の期間、当院回復期リハビリテーション病棟入院患者のうち、1.脳卒中患者、2.Brunnstrom Recovery Stage(BRS)Ⅰ〜Ⅳ 、3.指示理解が可能で研究参加に同意が得られた者、4.見守りでの歩行が可能な者を対象とした。アウトカムは、Timed up and go test (TUG)として、ankle foot orthosis (AFO)条件、AFO+FES条件で速度および歩数を検証した。FESはL300Go®システムを使用し、歩行周期をモーションセンサーにより検出し、遊脚期に自動で総腓骨神経を刺激し、足関節背屈を補助した。尚、AFOは足関節背屈誘導に設定した。統計解析は対応のあるt検定を用い、効果量(Cohen's d)を算出し、有意水準は5%とした。
【倫理的配慮,説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に基づき、当院倫理委員会の承認を得て行い、研究参加者には、紙面および口頭で説明を行い、同意を得た。 (承認番号 005)
【結果】
対象は脳卒中者7例で、TUG時間は、AFO条件(38.0 ±20.8秒)と比較してAFO+FES条件(32.0±18.5秒)で有意に短縮した(p=0.048、Cohen's d=0.99)。一方、歩数はAFO条件(35.1±13.6歩)とAFO+FES条件(31.4±13.0歩)の間で有意差を認めなかった(p=0.17、Cohen's d=0.59)。
【考察】
脳卒中片麻痺患者の装具装着下におけるFESの効果を探索的に検討し、FESを併用することでTUGの時間が有意に短縮した。FESにより円滑な遊脚を誘導する事で、より効率的な姿勢制御に関与した可能性があり、Cohen's d=0.99と大きな効果量を示し、臨床的にも一定の効果が示唆された。一方、歩数では中等度の効果量(Cohen's d=0.59)が認められたものの、有意差には至らなかった。これは症例数が7例と少なく、検出力が不十分であったと推察する。このため、継続研究による検証が必要と考える。
脳卒中後の歩行再建は、装具療法や機能的電気刺激(functional electrical stimulation: FES)を用いた有効性の報告がある。装具は立脚期の安定性を担保するも、遊脚期の効果は限定的である。これに対し、FESは歩行周期に同期した電気刺激により筋活動を促通し、遊脚期の振り出しに有用であるが、立脚期の安定性には限界がある。先行研究では両者の単独使用での報告が多く、併用療法の検討報告は限られ、動的バランスについては不透明である。このため、装具とFESの併用により、脳卒中片麻痺患者における歩行と動的バランス能力に及ぼす影響を前向きに探索調査した。
【方法】
2026年6月1日~6月30日の期間、当院回復期リハビリテーション病棟入院患者のうち、1.脳卒中患者、2.Brunnstrom Recovery Stage(BRS)Ⅰ〜Ⅳ 、3.指示理解が可能で研究参加に同意が得られた者、4.見守りでの歩行が可能な者を対象とした。アウトカムは、Timed up and go test (TUG)として、ankle foot orthosis (AFO)条件、AFO+FES条件で速度および歩数を検証した。FESはL300Go®システムを使用し、歩行周期をモーションセンサーにより検出し、遊脚期に自動で総腓骨神経を刺激し、足関節背屈を補助した。尚、AFOは足関節背屈誘導に設定した。統計解析は対応のあるt検定を用い、効果量(Cohen's d)を算出し、有意水準は5%とした。
【倫理的配慮,説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に基づき、当院倫理委員会の承認を得て行い、研究参加者には、紙面および口頭で説明を行い、同意を得た。 (承認番号 005)
【結果】
対象は脳卒中者7例で、TUG時間は、AFO条件(38.0 ±20.8秒)と比較してAFO+FES条件(32.0±18.5秒)で有意に短縮した(p=0.048、Cohen's d=0.99)。一方、歩数はAFO条件(35.1±13.6歩)とAFO+FES条件(31.4±13.0歩)の間で有意差を認めなかった(p=0.17、Cohen's d=0.59)。
【考察】
脳卒中片麻痺患者の装具装着下におけるFESの効果を探索的に検討し、FESを併用することでTUGの時間が有意に短縮した。FESにより円滑な遊脚を誘導する事で、より効率的な姿勢制御に関与した可能性があり、Cohen's d=0.99と大きな効果量を示し、臨床的にも一定の効果が示唆された。一方、歩数では中等度の効果量(Cohen's d=0.59)が認められたものの、有意差には至らなかった。これは症例数が7例と少なく、検出力が不十分であったと推察する。このため、継続研究による検証が必要と考える。
