講演情報
[24]左足関節三果骨折術後の足底感覚障害に対するTENSが表在感覚および重心動揺に与える影響
*小池 紗夢1、池内 潤1 (1. 田岡病院 リハビリテーション科)
キーワード:
TENS、末梢性神経障害、感覚障害
【はじめに,目的】
本症例は左足関節三果骨折(以下、TRF)に対して観血的整復固定術(以下、ORIF)を施行後、左足底部に感覚障害を認めた。TRFではORIF後に神経障害性疼痛様の感覚障害が遷延する症例が報告されており、予後不良な合併症である。経皮的電気刺激療法(以下、TENS)は疼痛抑制に加え感覚機能の向上効果も報告されているが、表在感覚と重心動揺の両面から検討した報告は乏しい。そこで本研究は左TRF術後に感覚障害を有する1症例に対しTENSが表在感覚と重心動揺に及ぼす即時効果と経時的変化を検討した。
【方法】
対象は左TRFに対するORIF後に左足底部に感覚障害を呈した50代の女性1症例とし、介入は術後44日目に開始した。足底部の表在感覚は主観的10点法で測定した。重心動揺は床反力計(Wii Fit Balance Board、Nintendo社製)で開眼静止立位30秒を2回測定し平均値を用いた。介入はTENS(IVES Pro、OG Wellness社)を20分間実施し、電極は足底部に貼付した。刺激条件は周波数100〜120Hz、パルス幅300〜400μs、強度を感覚閾値に調整した。各評価を7日間にわたり介入前後に測定し、即時効果と経時的変化を記述統計により検討した。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は当院倫理委員会の承認を得た。ヘルシンキ宣言に基づき、被験者に研究参加に対する自由意志と権利の承認、個人情報の保護に対する配慮を十分に説明し同意を得た。
【結果】
足底内側部の表在感覚(介入前/後)は1日目0/0、2日目3/3、3日目5/5、4日目10/10、5日目7/8、6日目8/10、7日目7/10となった。左右軌跡長(cm、平均値±標準偏差)は1日目57.70±6.17/60.00±0.89、2日目56.30±4.36/55.30±3.95、3日目59.30±3.82/55.60±1.30、4日目53.10±0.48/56.00±1.15、5日目55.70±0.04/53.50±2.57、6日目55.80±0.01/55.80±1.12、7日目54.70±1.92/53.90±0.60と減少した。左右座標中心は1日目4.10±1.03/2.50±1.35、2日目3.70±0.61/3.80±0.73、3日目2.00±0.42/0.90±0.57、4日目1.40±0.51/2.40±0.28、5日目2.20±0.07/2.50±0.21、6日目1.30±0.28/0.30±0.28、7日目0.50±0.64/0.40±0.15となり右偏倚が軽減した。
【考察】
本症例は健側への荷重偏位があり患側の感覚低下を健側への代償的荷重戦略によって補っていたと考えた。TENSにより足底内側部への感覚入力が増加し、患側荷重を含めた姿勢戦略が再構築された結果、荷重偏位の改善につながった。
本症例は左足関節三果骨折(以下、TRF)に対して観血的整復固定術(以下、ORIF)を施行後、左足底部に感覚障害を認めた。TRFではORIF後に神経障害性疼痛様の感覚障害が遷延する症例が報告されており、予後不良な合併症である。経皮的電気刺激療法(以下、TENS)は疼痛抑制に加え感覚機能の向上効果も報告されているが、表在感覚と重心動揺の両面から検討した報告は乏しい。そこで本研究は左TRF術後に感覚障害を有する1症例に対しTENSが表在感覚と重心動揺に及ぼす即時効果と経時的変化を検討した。
【方法】
対象は左TRFに対するORIF後に左足底部に感覚障害を呈した50代の女性1症例とし、介入は術後44日目に開始した。足底部の表在感覚は主観的10点法で測定した。重心動揺は床反力計(Wii Fit Balance Board、Nintendo社製)で開眼静止立位30秒を2回測定し平均値を用いた。介入はTENS(IVES Pro、OG Wellness社)を20分間実施し、電極は足底部に貼付した。刺激条件は周波数100〜120Hz、パルス幅300〜400μs、強度を感覚閾値に調整した。各評価を7日間にわたり介入前後に測定し、即時効果と経時的変化を記述統計により検討した。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は当院倫理委員会の承認を得た。ヘルシンキ宣言に基づき、被験者に研究参加に対する自由意志と権利の承認、個人情報の保護に対する配慮を十分に説明し同意を得た。
【結果】
足底内側部の表在感覚(介入前/後)は1日目0/0、2日目3/3、3日目5/5、4日目10/10、5日目7/8、6日目8/10、7日目7/10となった。左右軌跡長(cm、平均値±標準偏差)は1日目57.70±6.17/60.00±0.89、2日目56.30±4.36/55.30±3.95、3日目59.30±3.82/55.60±1.30、4日目53.10±0.48/56.00±1.15、5日目55.70±0.04/53.50±2.57、6日目55.80±0.01/55.80±1.12、7日目54.70±1.92/53.90±0.60と減少した。左右座標中心は1日目4.10±1.03/2.50±1.35、2日目3.70±0.61/3.80±0.73、3日目2.00±0.42/0.90±0.57、4日目1.40±0.51/2.40±0.28、5日目2.20±0.07/2.50±0.21、6日目1.30±0.28/0.30±0.28、7日目0.50±0.64/0.40±0.15となり右偏倚が軽減した。
【考察】
本症例は健側への荷重偏位があり患側の感覚低下を健側への代償的荷重戦略によって補っていたと考えた。TENSにより足底内側部への感覚入力が増加し、患側荷重を含めた姿勢戦略が再構築された結果、荷重偏位の改善につながった。
