講演情報

[46]脊椎固定術後患者における土日リハビリテーション介入の効果について

*金澤 佳弘1、田村 靖明1、出口 憲市2 (1. 徳島県鳴門病院 リハビリテーション技術科、2. 徳島県鳴門病院 医療技術局)

キーワード:

脊椎固定術後、土日リハビリテーション、疼痛

【はじめに,目的】
 脊椎固定術後患者では,術後の疼痛により離床や活動性低下から,日常生活動作 (ADL) 再獲得や歩行能力の回復が遅延する症例がいると報告されている。その術後早期の離床や歩行は,血流改善による炎症性物質の除去,筋攣縮の軽減,内因性鎮痛機構の活性化および運動恐怖の軽減を介して疼痛軽減に寄与する可能性が報告されている。一方,日本の急性期病院の現状として,365日のリハビリテーション (リハ) は十分に普及していないことが課題として挙げられる。そのため,土日を含めた早期リハ介入を行うことは,術後疼痛の軽減や円滑なADLおよび歩行能力の回復に繋がる可能性がある。そこで本研究では,脊椎固定術後患者に対する土日リハ介入が術後の疼痛に及ぼす影響を検討した。
【方法】
 対象者は,当院の脊椎脊髄センターにて脊椎固定手術を施行した患者である。令和6年より急性期病棟の整形外科術後患者の週末リハを開始しており,その取り組み時期の介入前後で土日リハ群15例 (平均年齢70.5±11.4歳),非土日リハ群14例 (平均年齢70.1±10.8歳) の2群に分類した。なお,土日リハ群では,手術後1週間は毎日の離床リハ介入を実施していることを条件とした。主要評価項目は術後疼痛とし,Numerical Rating Scale (NRS) を用いて術後1日目と7日目の疼痛を評価し変化量を算出した。その他の調査項目として,年齢,性別,術部位,入院時Barthel Index (BI) とした。統計解析にはSPSSver.24.0を使用しており,疼痛変化量は対応のないt検定,年齢と入院時BIはMann-Whitney U検定,性別と術部位はχ²検定を用いた。なお,有意水準は5%未満とした。
【倫理的配慮,説明と同意】
 本研究はヘルシンキ宣言に準じて,対象者へのオプトアウトの機会も保証しており,診療記録より後方視的にデータ抽出を実施した。また,対象者への不利益が生じないように,個人の既存情報は匿名化後に解析及び管理した。
【結果】
 土日リハ群および非土日リハ群の術後1日目と7日目の疼痛変化量は,有意差を認められなかった (n.s.)。また,年齢,性別,術部位,入院時BIにも有意差を認められなかった (n.s.)。
【考察】
 本研究の結果では,土日リハ介入による術後から1週後の疼痛軽減に与える影響が認められなかった。術後の疼痛軽減に至らなかった原因として,術式や椎間数の層別化,評価期間の適切化,患者背景,周術期因子などが関連している可能性が考えられた。今後の課題として,症例数の増加,術式や患者の層別化等を含めた検討が重要であると考えられる。