講演情報
[37]カプサイシンクリームが疼痛閾値に及ぼす影響
*奥田 教宏1、金子 紫音2、竹林 秀晃1、川村 博文1、近藤 寛1、榎 勇人1、菅原 仁1、大迫 洋治3 (1. 高知健康科学大学 健康科学部理学療法学専攻、2. 翠鳳第一病院 リハビリテーション科、3. 高知大学教育研究部 基礎医学部門医学部解剖学講座)
キーワード:
カプサイシン、TRPV1、疼痛
【はじめに,目的】
皮膚受容器のTRPチャネルでは、さまざまな温度を感知することができ、TRPV1はカプサイシン受容体としても有名である。TRPV1は、主に43℃以上の温熱で活性化され、また炎症時にも活性化し疼痛時にも反応する受容体である。我々理学療法士は、物理療法の一つである温熱刺激を用いて疼痛を軽減させる方法があるが、温熱時に活性化するTRPV1が活性化することで痛みが増強することと矛盾しているように思う。
そこで今回は、TRPV1が活性化するカプサイシンクリームを用い、痛みの増減や自覚的および客観的皮膚温度を調査することで疼痛閾値とTRPV1の関与について検討した。
【方法】
はじめに被験者(若年成人10名)に対し、塗布前の疼痛閾値(ZTA-100N,IMADA社)と自覚的皮膚温度感覚のVAS(0mmを何も感じない、100mmをとても温かく感じる)、皮膚温度(ALCHG01,DIKANG社)を測定した。疼痛閾値と皮膚温度はそれぞれ2回測定し、その平均値とした。その後、経時的に塗布5分後、10分後、15分後、20分後、塗布除去後5分も同様に疼痛閾値、自覚的皮膚温度感覚、客観的皮膚温度を測定した。カプサイシンクリーム((株)テシマ化研)は、測定部位である前腕屈側の近位1/2に塗布した。
統計解析は、塗布前~塗布除去後5分の経時的変化の疼痛閾値およびVAS値、皮膚温度において反復測定-一元配置分散分析後に多重比較検定(Bonferroni)をおこない、有意水準は5%未満とした。
【倫理的配慮,説明と同意】
本研究は、対象者に説明と同意を得た上で実施した。今回の研究に関し、開示すべきCOIはない。
【結果】
疼痛閾値では、塗布前と比較し塗布後5分以外すべてにおいて有意な上昇がみられ、また塗布後5分と比較し塗布後20分と除去後5分において有意な上昇もみられた。VAS値では、塗布前と比較し塗布後5分~除去後5分まですべてにおいて有意な上昇がみられた。皮膚温度では、塗布後5分と比較し塗布後10分でのみ有意な上昇がみられた。
【考察】
今回、カプサイシンクリームを塗布することで疼痛閾値の上昇が塗布後10分以降でみられており、またVASの皮膚温度感覚では塗布後5分から除去後5分まで「温かさがある」という実感があったことから、TRPV1が10分以降で脱感作となったことで疼痛閾値の上昇がみられた可能性を示唆する。客観的皮膚温度に関しては、塗布後5分と比較し塗布後10分でのみ有意な上昇がみられていたが、0.27℃の差であり塗布前と比較し10分以降のすべてにおいて有意差がないため、血管拡張による温度上昇とは断定できない。
カプサイシンクリームを塗布することで、自覚的皮膚温度感覚はみられるものの末梢血管拡張は起きず、TRPV1の脱感作を介して疼痛閾値を上昇させる可能性が示唆された。
皮膚受容器のTRPチャネルでは、さまざまな温度を感知することができ、TRPV1はカプサイシン受容体としても有名である。TRPV1は、主に43℃以上の温熱で活性化され、また炎症時にも活性化し疼痛時にも反応する受容体である。我々理学療法士は、物理療法の一つである温熱刺激を用いて疼痛を軽減させる方法があるが、温熱時に活性化するTRPV1が活性化することで痛みが増強することと矛盾しているように思う。
そこで今回は、TRPV1が活性化するカプサイシンクリームを用い、痛みの増減や自覚的および客観的皮膚温度を調査することで疼痛閾値とTRPV1の関与について検討した。
【方法】
はじめに被験者(若年成人10名)に対し、塗布前の疼痛閾値(ZTA-100N,IMADA社)と自覚的皮膚温度感覚のVAS(0mmを何も感じない、100mmをとても温かく感じる)、皮膚温度(ALCHG01,DIKANG社)を測定した。疼痛閾値と皮膚温度はそれぞれ2回測定し、その平均値とした。その後、経時的に塗布5分後、10分後、15分後、20分後、塗布除去後5分も同様に疼痛閾値、自覚的皮膚温度感覚、客観的皮膚温度を測定した。カプサイシンクリーム((株)テシマ化研)は、測定部位である前腕屈側の近位1/2に塗布した。
統計解析は、塗布前~塗布除去後5分の経時的変化の疼痛閾値およびVAS値、皮膚温度において反復測定-一元配置分散分析後に多重比較検定(Bonferroni)をおこない、有意水準は5%未満とした。
【倫理的配慮,説明と同意】
本研究は、対象者に説明と同意を得た上で実施した。今回の研究に関し、開示すべきCOIはない。
【結果】
疼痛閾値では、塗布前と比較し塗布後5分以外すべてにおいて有意な上昇がみられ、また塗布後5分と比較し塗布後20分と除去後5分において有意な上昇もみられた。VAS値では、塗布前と比較し塗布後5分~除去後5分まですべてにおいて有意な上昇がみられた。皮膚温度では、塗布後5分と比較し塗布後10分でのみ有意な上昇がみられた。
【考察】
今回、カプサイシンクリームを塗布することで疼痛閾値の上昇が塗布後10分以降でみられており、またVASの皮膚温度感覚では塗布後5分から除去後5分まで「温かさがある」という実感があったことから、TRPV1が10分以降で脱感作となったことで疼痛閾値の上昇がみられた可能性を示唆する。客観的皮膚温度に関しては、塗布後5分と比較し塗布後10分でのみ有意な上昇がみられていたが、0.27℃の差であり塗布前と比較し10分以降のすべてにおいて有意差がないため、血管拡張による温度上昇とは断定できない。
カプサイシンクリームを塗布することで、自覚的皮膚温度感覚はみられるものの末梢血管拡張は起きず、TRPV1の脱感作を介して疼痛閾値を上昇させる可能性が示唆された。
