講演情報
[SS-12-01]大学国際化を担うひとの育成を考える:2024年度全国調査結果を起点とした対話
*米澤 由香子1 (1. 東北大学)
キーワード:
大学国際化、大学国際化担当者のキャパシティ・ディベロップメント
留学生リクルーティング、国際アドミッション、海外協定校開拓、派遣留学プログラム運営、カリキュラムの国際化、国際共同研究の推進、多文化を推進するキャンパスデザイン、そして、これらの機能の有機的連携による国際化の高度化。現代の大学国際化は範囲の拡大と質の向上が同時に進んでいます。AIやDXの導入によりある程度の効率化をはかることは今後の大学運営の必定とも予測されますが、それでもやはり、多様に拡大すると同時に高度化する大学国際化の諸機能を俯瞰し、関連づけ、包括的にマネジメントをおこなうのは、創造性と実行力、そして「冷静な頭脳と温かい心」を兼ね備えた「ひと」です。したがって、大学国際化担当者は今後も多くの大学において、執行部から窓口の各部で求められていくでしょう。
それでは、現代の日本の大学において国際化を担うひとの育成環境は十分に整備されているでしょうか。この問いを含む大学国際化調査が2024年度におこなわれました(文部科学省高等教育局, 2025)。報告書には、国内大学で国際業務を担当する教職員を対象とした質問票調査の結果が表されており、この領域を担う教職員の採用、配置、キャリア形成などに関する質問項目への回答がまとめられています。調査結果をごく大まかに言えば、回答の9割は大学が国際化することの重要性を認識しているものの、自大学の国際化が順調に進んでいるととらえている回答は半分ほどであり、さらには、自大学の国際化の人的資源は充足しているとする回答は全体の2割程度でした。この結果を見る限り、国内の多くの大学が国際化を担うひとの育成環境に何らかの課題を見ているようです。
本セッションでは、大学国際化担当者の育成を大学の持続的運営のために必要な取り組みと捉え、上述の報告書をきっかけとして、個々の文脈におけるこの課題への取り組み方を参加者主体により考える機会をつくります。セッション構成は次のように予定しています。まず、本報告書から読みとる大学国際化担当者の育成に関する課題を話題提供者により整理します。その後、参加者がそれらの課題をそれぞれの大学の文脈に置き、具体的な育成計画を考えるための対話の機会をつくります。参加者同士が生成的な対話をするなかで、自身を含む国際業務担当者の育成を自身のかかわる仕事の一部ととらえ、大学国際化を自分ごととして引き受ける環境を作ることができるような、何かしらの実践的成果を得ることを本セッションのねらいとします。
参考文献:
文部科学省高等教育局(2025)「『大学の国際化』に関する調査研究(国際的な業務に従事する大学の職員の国際比較を含む)報告書」令和6年度先導的大学改革推進委託事業.
それでは、現代の日本の大学において国際化を担うひとの育成環境は十分に整備されているでしょうか。この問いを含む大学国際化調査が2024年度におこなわれました(文部科学省高等教育局, 2025)。報告書には、国内大学で国際業務を担当する教職員を対象とした質問票調査の結果が表されており、この領域を担う教職員の採用、配置、キャリア形成などに関する質問項目への回答がまとめられています。調査結果をごく大まかに言えば、回答の9割は大学が国際化することの重要性を認識しているものの、自大学の国際化が順調に進んでいるととらえている回答は半分ほどであり、さらには、自大学の国際化の人的資源は充足しているとする回答は全体の2割程度でした。この結果を見る限り、国内の多くの大学が国際化を担うひとの育成環境に何らかの課題を見ているようです。
本セッションでは、大学国際化担当者の育成を大学の持続的運営のために必要な取り組みと捉え、上述の報告書をきっかけとして、個々の文脈におけるこの課題への取り組み方を参加者主体により考える機会をつくります。セッション構成は次のように予定しています。まず、本報告書から読みとる大学国際化担当者の育成に関する課題を話題提供者により整理します。その後、参加者がそれらの課題をそれぞれの大学の文脈に置き、具体的な育成計画を考えるための対話の機会をつくります。参加者同士が生成的な対話をするなかで、自身を含む国際業務担当者の育成を自身のかかわる仕事の一部ととらえ、大学国際化を自分ごととして引き受ける環境を作ることができるような、何かしらの実践的成果を得ることを本セッションのねらいとします。
参考文献:
文部科学省高等教育局(2025)「『大学の国際化』に関する調査研究(国際的な業務に従事する大学の職員の国際比較を含む)報告書」令和6年度先導的大学改革推進委託事業.