講演情報
[PS-01]海外留学を控えた高校生を対象とした留学準備ワークショップの開発と実践
*深尾 暁子1 (1. 国際基督教大学)
キーワード:
留学前教育、高校生、ワークショップデザイン、異文化適応
受講者に求められる 事前の知識・経験等
なし
受講者が受講前に取り組む 事前課題等
なし
概要
コロナ禍を経て、日本の高校生の海外留学は回復傾向にある。文部科学省の2023年度統計によると、約3.5万人の高校生が留学したが、そのうち3か月以上の長期留学は3,174人である。長期留学が伸びにくい要因として、費用負担や学校制度や大学受験への影響に加え、語学や生活への不安などが指摘されている。そのため、留学前に生徒が自らの期待や不安を整理し、異文化環境でのコミュニケーションや学習への姿勢を考える機会の提供が重要となる。
しかし、日本の高校生を対象とした留学前教育は、渡航手続きや生活上の注意事項の説明に重点が置かれることが多く、異文化適応や主体的な学習姿勢を促す教育的活動として体系的に実施される例は少ない。特に、高校生の発達段階を踏まえた参加型の留学準備プログラムの実践報告は十分に蓄積されていない。
本発表では、長期海外留学を控えた高校生を対象とした留学準備ワークショップの設計と実践について報告する。数年にわたる試行錯誤の末、留学環境のシミュレーションや異文化コミュニケーションの状況を想定したディスカッションなどが、生徒が主体的に留学経験を捉える視点を育む可能性があることが示唆された。
ワークショップは4-5時間のプログラムとして構成され、関連し合う三つの活動から成り立つ。第一に、「留学後の学習・生活環境のシミュレーション」である。英語のみの使用をルール化し、参加型の課題を中心に設計した。第二に、「異文化場面のシナリオディスカッション」である。ホストファミリーとの生活、友人関係の形成、外国語での会話が円滑に進まない場合など、留学先で起こり得る具体的な場面を提示し、グループで対応策を検討した。第三に、「英語ライティングを通した自己表現」である。生徒は、留学に関する考えをアカデミックエッセイの形式で表現した。
参加生徒の感想からは、期待や不安の整理による心理的安心感や、異文化適応に対する意識向上が示唆された。一方、参加人数が限られ、評価も主催教員を通した間接的な情報にとどまるため、留学中や帰国後の学習成果との関連は十分に検討できていない。今後は、振り返り活動やインタビュー調査を通じ、留学前教育が生徒の学習経験に与える影響を継続的に評価する必要がある。
本実践は、高校生を対象とした留学前教育における参加型ワークショップの有効性を示す一例である。異文化体験に向けた主体的な学びを促す教育的取り組みとして、今後さらに体系的な評価と改善が求められる。
なし
受講者が受講前に取り組む 事前課題等
なし
概要
コロナ禍を経て、日本の高校生の海外留学は回復傾向にある。文部科学省の2023年度統計によると、約3.5万人の高校生が留学したが、そのうち3か月以上の長期留学は3,174人である。長期留学が伸びにくい要因として、費用負担や学校制度や大学受験への影響に加え、語学や生活への不安などが指摘されている。そのため、留学前に生徒が自らの期待や不安を整理し、異文化環境でのコミュニケーションや学習への姿勢を考える機会の提供が重要となる。
しかし、日本の高校生を対象とした留学前教育は、渡航手続きや生活上の注意事項の説明に重点が置かれることが多く、異文化適応や主体的な学習姿勢を促す教育的活動として体系的に実施される例は少ない。特に、高校生の発達段階を踏まえた参加型の留学準備プログラムの実践報告は十分に蓄積されていない。
本発表では、長期海外留学を控えた高校生を対象とした留学準備ワークショップの設計と実践について報告する。数年にわたる試行錯誤の末、留学環境のシミュレーションや異文化コミュニケーションの状況を想定したディスカッションなどが、生徒が主体的に留学経験を捉える視点を育む可能性があることが示唆された。
ワークショップは4-5時間のプログラムとして構成され、関連し合う三つの活動から成り立つ。第一に、「留学後の学習・生活環境のシミュレーション」である。英語のみの使用をルール化し、参加型の課題を中心に設計した。第二に、「異文化場面のシナリオディスカッション」である。ホストファミリーとの生活、友人関係の形成、外国語での会話が円滑に進まない場合など、留学先で起こり得る具体的な場面を提示し、グループで対応策を検討した。第三に、「英語ライティングを通した自己表現」である。生徒は、留学に関する考えをアカデミックエッセイの形式で表現した。
参加生徒の感想からは、期待や不安の整理による心理的安心感や、異文化適応に対する意識向上が示唆された。一方、参加人数が限られ、評価も主催教員を通した間接的な情報にとどまるため、留学中や帰国後の学習成果との関連は十分に検討できていない。今後は、振り返り活動やインタビュー調査を通じ、留学前教育が生徒の学習経験に与える影響を継続的に評価する必要がある。
本実践は、高校生を対象とした留学前教育における参加型ワークショップの有効性を示す一例である。異文化体験に向けた主体的な学びを促す教育的取り組みとして、今後さらに体系的な評価と改善が求められる。
