講演情報
[PS-05]帝京グローバルコンピテンシー:「日常の国際化」を推進する指標の構築と実践
*桑原 達也1、*加藤 有紀1、*有馬 歩依里1 (1. 帝京大学)
キーワード:
国際化の取り組み、全学的な推進体制、日常の国際化、指標と実践、世界で求められる大学
受講者に求められる 事前の知識・経験等
なし
受講者が受講前に取り組む 事前課題等
なし
概要
1. 背景
日本の高等教育は、2040年を見据えた「Diversity with Quality(多様な学生・研究者を活かして教育・研究の質を高める考え方)」の実現や、大学を拠点に留学生受入・海外派遣・人材育成を一体的に進め、国内外の交流と地域活性化を促す「国際ゲートウェイ」構想といった大きな転換期にある。こうした中で、建学の精神に国際性を掲げる帝京大学は、2021年に大学全体の国際化を牽引する組織として国際化推進室を設置して「国際化を日常に」することを目指してきた。しかし、総合大学ゆえに、国際化が専門部署に偏る問題や、学部・キャンパス間での意識の解離が課題である。
2. 帝京グローバルコンピテンシーの策定
帝京大学では、国際化を日常とする方策の1つとして、2022年に「帝京グローバルコンピテンシー(TGC)」を策定した。これは、帝京の学生と教職員がグローバル社会により良く向き合う姿勢と能力であり、「多面的な対応力」「柔軟な思考力」「果敢な実行力」の3本柱で構成される。学生・職員・教員三者の指標を設けたという特徴がある。概要を次に示す。
学生: TGCを習得し、大学の国際的環境を活かして自律的に挑戦する。
職員: 大学を多様な人財が集まる場として尊重し、業務に国際的視野を活かす。
教員: 国や分野の垣根を越えた教育・研究交流に参加し、国際的に発信する。
3. 活動状況
TGC醸成のため、本学で展開している施策を一部紹介する。
1) 意識改革の推進: 2025年に実施した国際化に関するFD・SDセミナーには教職員の75%以上が参加した。アンケートでは、本学を「国際的な大学だと思う」と回答した割合が、約4割から6割強へと改善した。
2) 共修の場の提供:総合大学の利点を活かし、一つのテーマに対して異なる学部の教員が講義を行い、学生・教職員がキャンパスを越えてオンラインで話し合うグローバルチャレンジセミナーを2022年から開始した。
3) 教職員の情報発信:国際共同研究や国際交流活動に関するグッドプラクティスを、キャンパス横断的に教員と職員が紹介し合う機会を提供した。
4) 情報分析と根拠に基づく国際化:学内調査では、教職員の「業務負担と時間の不足」が国際化の最大の障壁として挙げられており、国際関連以外の業務との調整や、国際的な活動を人事評価等インセンティブに適切に反映させる制度設計が必要である。
4. 今後の課題と展望
大学の国際化に向けたTGCの浸透には、すべての教職員と学生の行動が欠かせない。そのため、2026年には大学の教育・研究・組織力を強化する国際化中長期計画「TEIKYO GLOBAL TRY」を策定して、大学全体での目標を可視化した。本発表では、TGCを軸に「日常の国際化」を組織文化として定着させるための実践プロセスと最新の学内調査に基づく分析結果を報告し、議論を深めたい。
なし
受講者が受講前に取り組む 事前課題等
なし
概要
1. 背景
日本の高等教育は、2040年を見据えた「Diversity with Quality(多様な学生・研究者を活かして教育・研究の質を高める考え方)」の実現や、大学を拠点に留学生受入・海外派遣・人材育成を一体的に進め、国内外の交流と地域活性化を促す「国際ゲートウェイ」構想といった大きな転換期にある。こうした中で、建学の精神に国際性を掲げる帝京大学は、2021年に大学全体の国際化を牽引する組織として国際化推進室を設置して「国際化を日常に」することを目指してきた。しかし、総合大学ゆえに、国際化が専門部署に偏る問題や、学部・キャンパス間での意識の解離が課題である。
2. 帝京グローバルコンピテンシーの策定
帝京大学では、国際化を日常とする方策の1つとして、2022年に「帝京グローバルコンピテンシー(TGC)」を策定した。これは、帝京の学生と教職員がグローバル社会により良く向き合う姿勢と能力であり、「多面的な対応力」「柔軟な思考力」「果敢な実行力」の3本柱で構成される。学生・職員・教員三者の指標を設けたという特徴がある。概要を次に示す。
学生: TGCを習得し、大学の国際的環境を活かして自律的に挑戦する。
職員: 大学を多様な人財が集まる場として尊重し、業務に国際的視野を活かす。
教員: 国や分野の垣根を越えた教育・研究交流に参加し、国際的に発信する。
3. 活動状況
TGC醸成のため、本学で展開している施策を一部紹介する。
1) 意識改革の推進: 2025年に実施した国際化に関するFD・SDセミナーには教職員の75%以上が参加した。アンケートでは、本学を「国際的な大学だと思う」と回答した割合が、約4割から6割強へと改善した。
2) 共修の場の提供:総合大学の利点を活かし、一つのテーマに対して異なる学部の教員が講義を行い、学生・教職員がキャンパスを越えてオンラインで話し合うグローバルチャレンジセミナーを2022年から開始した。
3) 教職員の情報発信:国際共同研究や国際交流活動に関するグッドプラクティスを、キャンパス横断的に教員と職員が紹介し合う機会を提供した。
4) 情報分析と根拠に基づく国際化:学内調査では、教職員の「業務負担と時間の不足」が国際化の最大の障壁として挙げられており、国際関連以外の業務との調整や、国際的な活動を人事評価等インセンティブに適切に反映させる制度設計が必要である。
4. 今後の課題と展望
大学の国際化に向けたTGCの浸透には、すべての教職員と学生の行動が欠かせない。そのため、2026年には大学の教育・研究・組織力を強化する国際化中長期計画「TEIKYO GLOBAL TRY」を策定して、大学全体での目標を可視化した。本発表では、TGCを軸に「日常の国際化」を組織文化として定着させるための実践プロセスと最新の学内調査に基づく分析結果を報告し、議論を深めたい。
