講演情報

[PS-08]国際協働学習で拓く人文系産学連携-マレーシアにおける実践

*木村 かおり1 (1. マラヤ大学)

キーワード:

人材育成、エンプロイアビリティ、人文系学生、産学連携、国際協働学習

受講者に求められる 事前の知識・経験等
なし

受講者が受講前に取り組む 事前課題等
なし

概要
ルックイースト政策は、日本をはじめとする東アジア諸国から産業倫理や技術、人材育成モデルを学ぶことを目的として、1981年にマハティール政権下のマレーシアにおいて提唱された。以降、日本の公的支援、とりわけJICAによる技術協力や能力開発支援は、教育・職業訓練分野において継続的に展開されてきた。マレーシア技能指導者育成センターや、工学教育拠点としてのマレーシア日本国際工科院の設立は、その代表例である。これらの取り組みは、技能教育や教師教育の分野において一定の成果を上げてきたと評価されている。しかしながら、こうした制度的枠組みが大学段階における産学連携型人材育成実践へどのように接続し、機能しているのかについては十分に検証されていない。とりわけ、産業界と大学との接続は、工学・理学分野においては教育拠点の設置や共同研究などを通じて制度的に進展している一方で、人文・社会科学領域においては限定的である。M大学においても、工学系やITを含むビジネス系では産学連携型教育が比較的進展しているのに対し、人文社会系では遅れがみられる。このことは、大学段階における人文系の人材育成が、制度型接続とは異なる形で展開されている可能性を示している。すなわち、制度的接続が限定的である一方で、人文社会系においては、産学連携を通じた準制度的・実践的な人材育成の枠組みが形成されつつあると考えられる。本研究では、学生のエンプロイアビリティの定義や、自身の専攻分野での学修内容が将来の職業にどの程度関連し得るのかという主観的評価、すなわち職業的レリバンスを人文社会系の学生の文脈で捉え直した上で、2022年以降にM大学の人文系学部日本研究プログラムにおいて、日系企業と連携して実施されている「日本マレーシア人材ブリッジプロジェクト」を取り上げる。本プロジェクトにおける企業との対話活動や、日本の大学との国際協働学習を含む複数の実践を分析対象とし、これらの実践に着目し、人文社会系教育において、人材育成が産学連携の文脈の中でいかに再構成されているのかを明らかにする。