講演情報
[SS-9-01]留学生の受入れは日本にどの程度の経済効果をもたらすのか?: 在学中から卒業後の定着まで
*福元 結和、*太田 浩1 (1. 一橋大学)
キーワード:
経済効果、留学生受入、留学生定着・定住
受講者に求められる 事前の知識・経験等
なし
受講者が受講前に取り組む 事前課題等
なし
概要
留学生は、日本の経済にどのような影響を与えているのであろうか。学費や生活費など、在学中の支出を通じて、留学生が地域経済や国内消費に一定の経済効果をもたらしていることは、比較的イメージしやすい。実際、大学や専修学校に支払われる授業料収入に加え、日々の消費活動は地域社会の経済を支える一要素となっており、留学生受入れの経済的貢献としてしばしば語られてきた。
しかしながら、留学生がもたらす価値は、在学中の経済活動だけにとどまるものではない。近年、日本では人口(労働者)減少への対応としての高度外国人材の獲得や産業の国際競争力強化といった観点から、留学生の卒業後の国内就労と定着・定住に対する取り組みが産官学連携の下、進められている。留学生が卒業後に日本国内で就職し、継続的に所得を得ながら納税や社会保険料を負担し、さらに生活者として消費活動を行うことで生み出される経済的インパクトは、在学中の効果を大きく上回る可能性がある。
それにもかかわらず、留学生受入れをめぐる議論は、これまで高等教育政策や国際交流政策の文脈で語られることが多く、こうした「卒業後」を含めた包括的な経済効果については、十分に議論されてきたとは言い難い。人口減少と高齢化が進む日本において、留学生の国内定着・定住がもたらす影響は、単なる労働力の補完にとどまらず、税・社会保障制度の支え手の拡大や、多様な人材の流入による経済活力の維持・向上にもつながり得る。その意味で、留学生の受入れは、日本社会の持続可能性そのものに関わる重要な論点として、より広い視野から捉え直す必要がある。
そこで本セッションでは、留学生が在学中に高等教育機関や日本語教育機関にもたらす授業料収入や消費支出に加え、卒業後に日本で就職した場合に生じる所得、納税、社会保険料負担、さらには消費支出といった要素にも着目し、留学生が日本経済にもたらす影響をより包括的な視点から捉えることを試みる。
もっとも、本セッションの目的は、単に留学生の経済効果(貢献)の規模を数値として提示することに留まらない。むしろ、その試算を出発点として、留学生受入れの意義をどのように捉え直すことができるのか、また、より精緻で実態に即した分析を行うためには、どのような統計データや分析の視点が必要となるのかについて、参加者とともに考えることを重視したい。本セッションが、留学生受入れをめぐる議論を、経済、労働、人口動態といったより広い視点から捉え直す契機となれば幸いである。
なし
受講者が受講前に取り組む 事前課題等
なし
概要
留学生は、日本の経済にどのような影響を与えているのであろうか。学費や生活費など、在学中の支出を通じて、留学生が地域経済や国内消費に一定の経済効果をもたらしていることは、比較的イメージしやすい。実際、大学や専修学校に支払われる授業料収入に加え、日々の消費活動は地域社会の経済を支える一要素となっており、留学生受入れの経済的貢献としてしばしば語られてきた。
しかしながら、留学生がもたらす価値は、在学中の経済活動だけにとどまるものではない。近年、日本では人口(労働者)減少への対応としての高度外国人材の獲得や産業の国際競争力強化といった観点から、留学生の卒業後の国内就労と定着・定住に対する取り組みが産官学連携の下、進められている。留学生が卒業後に日本国内で就職し、継続的に所得を得ながら納税や社会保険料を負担し、さらに生活者として消費活動を行うことで生み出される経済的インパクトは、在学中の効果を大きく上回る可能性がある。
それにもかかわらず、留学生受入れをめぐる議論は、これまで高等教育政策や国際交流政策の文脈で語られることが多く、こうした「卒業後」を含めた包括的な経済効果については、十分に議論されてきたとは言い難い。人口減少と高齢化が進む日本において、留学生の国内定着・定住がもたらす影響は、単なる労働力の補完にとどまらず、税・社会保障制度の支え手の拡大や、多様な人材の流入による経済活力の維持・向上にもつながり得る。その意味で、留学生の受入れは、日本社会の持続可能性そのものに関わる重要な論点として、より広い視野から捉え直す必要がある。
そこで本セッションでは、留学生が在学中に高等教育機関や日本語教育機関にもたらす授業料収入や消費支出に加え、卒業後に日本で就職した場合に生じる所得、納税、社会保険料負担、さらには消費支出といった要素にも着目し、留学生が日本経済にもたらす影響をより包括的な視点から捉えることを試みる。
もっとも、本セッションの目的は、単に留学生の経済効果(貢献)の規模を数値として提示することに留まらない。むしろ、その試算を出発点として、留学生受入れの意義をどのように捉え直すことができるのか、また、より精緻で実態に即した分析を行うためには、どのような統計データや分析の視点が必要となるのかについて、参加者とともに考えることを重視したい。本セッションが、留学生受入れをめぐる議論を、経済、労働、人口動態といったより広い視点から捉え直す契機となれば幸いである。
