講演情報
[A-13-08]片側交互通行を対象とした深層Qネットワークによる信号制御の検討
〇小池 悠太1、淸水 恒輔1 (1. 岐阜大学)
キーワード:
片側交互通行、深層Qネットワーク、強化学習
道路工事の際に行われる片側交互通行規制では,現在も誘導員の経験に依存した交通制御が行われており,過酷な労働条件や人員不足が深刻な課題となっている.そのため,信号機制御の自動化による安全性および効率性の向上が求められている.片側交互通行の信号制御に強化学習を用いた研究は存在するものの,通行車両の実測到来データに基づく交通特性や車両挙動を反映した評価は十分ではない.また,既存の機械学習に基づく信号制御手法では,制御を行う地点ごとにモデルを学習し直す必要があり,異なる交通需要や道路条件への適用性に課題がある.そこで本研究では,片側交互通行の信号制御に深層Qネットワーク(DQN:Deep Q-Network)を用い,多様な交通状況に対して単一モデルで対応可能な動的信号制御手法の構築を目指す.本研究では,岐阜県内14地点で取得した実測交通データから車両到来パターンを作成し,交通流シミュレータSUMO上に片側交互通行環境を構築した.DQNモデルは,信号状態,車両分布,速度情報,停止台数,到着率などを観測として,青時間の延長または信号切替を選択するよう学習した.さらに,複数地点の到来パターンを用いたマルチシナリオ学習により,特定地点に依存しない汎用的な制御モデルの構築を試みた.評価では,各地点における固定時間信号制御の最良設定を基準として,平均待ち時間を指標に性能比較を行った.比較実験の結果,低需要地点(車両の到来台数:1.0~1.5台/10秒)ではDQNにより平均待ち時間が短縮された一方,高需要地点では性能が不安定となり,報酬設計によって有効な需要域が異なることを確認した.今後は,高需要時の信号切替頻度や待ち行列の変化を分析するとともに,報酬関数および観測特徴量を改良し,幅広い交通需要に対して安定した信号制御手法の構築を目指す.
