講演情報

[B-18-02]電池なし無線センシングのためのソフトウェアグルーロジック

〇有好 徹真1、大脇 雅史1、徳増 理1、三次 仁1 (1. 慶大)

キーワード:

無線センシング、FPGA

著者らは920MHz帯バックスキャッタ通信を用いた電池なし無線センサシステムを開発しており, SPIインターフェイスを有するRFICを用いて各種センサの無線かに取り組んでいる. しかしセンサごとに通信プロトコルやインターフェイス使用が異なるため, RFICとセンサを接続するためのグルーロジックが必要となる. 従来は専用ハードウェアによってこれを実現していたが, 回路設計や部品選定に要する開発コスト, 並びにセンサ変更時の柔軟性の低さが課題であった.
本研究では, 低消費電力FPGAを用いてソフトウェアによりグルーロジックを構成する手法を提案する. 提案手法ではRenesas ForgeFPGAを用い, 内臓50MHz発振機ではなくPLLbypass機能によって外部クロックを分周した低速クロックで動作させる. これにより著者らのRFICから供給可能な320μW以下の電力で動作するソフトウェアグルーロジックの実現を目指した.
提案手法の有効性を確認するため, ForgeFPGAの消費電力および正常動作周波数を評価した. 消費電力評価の結果, 動作周波数を低減することで消費電力を抑制でき, 500kHz以下では320μW以下で動作可能であることを確認した. またADXL362加速度センサとのSPI通信を対象に20kpbs振動で誤り率を測定した結果, 320kHz未満では誤り率が増加する一方, 320kHz以上では安定した通信が可能であることを示した.
以上より, 320~500kHzの動作条件においてバックスキャッタ通信を用いた電池なし無線センサシステム向けのソフトウェアグルーロジックを実現できる可能性を示した. 本手法は多様なセンサへの適応性向上と開発コスト削減に寄与することが期待される.