講演情報

[C-6-05]RFマグネトロンスパッタリング法によるCo3O4薄膜の作製とp-Co3O4/n-Siヘテロ接合の特性

〇伊藤 楓1、石川 博康1 (1. 芝浦工業大学)

キーワード:

酸化物半導体、太陽電池、RFマグネトロンスパッタリング法、薄膜

低コストかつ低環境負荷な太陽電池の実現に向けて、化学的安定性に優れる金属酸化物半導体が注目されている。Co3O4はp型伝導と約1.5 eVのバンドギャップを有するため、光吸収層として有望である。本研究では、RFマグネトロンスパッタリング法によりCo3O4薄膜を作製し、Co3O4/n-Siヘテロ接合を作製・評価した。主な成膜条件はRF出力100 W、圧力1 Pa、Ar流量0.9 sccm、O2流量0.6 sccm、堆積時間60 minとし、基板温度を室温(R.T.)、300、500 ℃に変化させた。基板としてはn-Si(100)およびガラスを用い、デバイスはAu/Co3O4/n-Si/Ti/Ag構造とした。粉末XRD測定より、基板温度によって優先配向が変化し、300および500 ℃で作製した試料では明瞭なCo3O4(111)配向が確認された。また、基板温度の上昇に伴いCo3O4(111)ピークの半値幅は減少した。表面・断面形状評価では、いずれの試料も斜め方向に成長した柱状構造を示し、Si基板上Co3O4薄膜の膜厚は約364~369 nmであった。さらに、高い基板温度で作製した試料ほど粒子サイズおよび表面粗さが増大した。透過率と反射率から求めた光学的バンドギャップは約1.44~1.50 eVであり、高い基板温度ほど吸収端の立ち上がりが急峻になった。抵抗率は約8.2×10-1~1.9 Ω・cmであり、熱起電力測定からp型伝導を示した。Co3O4/n-Siヘテロ接合では、I-V測定により整流性が確認され、光照射下で開放電圧50~70 mV、短絡電流-6.1~-2.4 µAが得られた。また、C-2-Vプロットより拡散電位は0.5~1.0 Vと算出された。以上より、基板温度がCo3O4薄膜の結晶配向、表面形態および光学特性に影響し、作製したヘテロ接合が整流性を示すことが明らかとなった。