講演情報

[O26-2]RBMX遺伝子異常症の従兄弟例における小児期の新たな臨床像

山田 浩介1, 清水 健司2, 村松 真由美3, 佐野 伸一朗3, 松林 朋子4, 伴 由布子5, 中野 玲二1, 田中 靖彦6, 佐藤 美保7, 大久保 由美子8, 増永 陽平9, 小野 裕之9, 才津 浩智10, 緒方 勤8,9,10 (1.静岡県立こども病院 新生児科, 2.静岡県立こども病院 遺伝染色体科, 3.静岡県立こども病院 糖尿病・代謝内科, 4.静岡県立こども病院 神経科, 5.静岡県立こども病院 総合診療科, 6.静岡県立こども病院 循環器科, 7.浜松医科大学医学部 眼科, 8.静岡済生会総合病院 小児科, 9.浜松医科大学医学部 小児科, 10.浜松医科大学医学部 医化学)
【背景】RBMX遺伝子異常症(X連鎖性精神遅滞, Shashi型:MIM#300238)は、RNA結合タンパクをコードし、転写制御や有糸分裂の調節に関与するRBMXを責任遺伝子とするX連鎖潜性遺伝性疾患である。現在まで臨床像の報告はSashi(2015)による1家系のみで成人例が中心であり小児期の表現型は不明である。確定診断した従兄弟例における小児期の新たな臨床像を報告する。
【症例】症例1は9歳男児。著明な小頭を伴う特徴的顔貌、重度知的障害、両側小眼球、角膜混濁、停留精巣、房室中隔欠損症、中枢性思春期早発症、肥満を認めた。症例2は5歳男児で、症例1の母方従弟である。小頭、知的障害、両側小眼球、角膜混濁、停留精巣、中枢性思春期早発症、肥満を認めた。家系内エクソーム解析を施行し、特異的表現型が類似した両児においてRBMXの最終エクソンにおける新規フレームシフトバリアントを同定した。
【考察】発達遅滞、肥満、特徴的顔貌所見における既報との表現型類似性だけでなく、両児ともに既報にない小眼球、角膜混濁や思春期早発症を認め、本症候群における特徴的な小児期臨床像である可能性が示唆された。