講演情報
[O27-1]アレルゲンコンポーネント感作のゲノムワイド関連解析
○笠井 洸希1, 森井 航1, 中村 貴子1, 林 大輔1, 原 モナミ1, 内藤 龍彦2,3,4, 曽根原 究人2,5, 福家 辰樹6, 齋藤 麻耶子6,10, 羊 利敏10, 山本 貴和子6,10, 成田 雅美6,7, 丸尾 和司8, 岡田 随象2,4,5,9, 野口 恵美子1, 大矢 幸弘6,10 (1.筑波大学 医学部 遺伝医学分野, 2.大阪大学大学院 医学系研究科 遺伝統計学分野, 3.東京大学大学院 医学系研究科 神経内科学分野, 4.理化学研究所 生命医科学研究センター システム遺伝学チーム, 5.大阪大学 先導的学際研究機構 生命医科学融合フロンティア研究部門, 6.国立成育医療研究センター アレルギーセンター, 7.杏林大学 医学部 小児科学教室, 8.筑波大学 医学医療系 臨床試験・臨床疫学研究室 生物統計学グループ, 9.大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 免疫統計学研究室, 10.国立成育医療研究センター 研究所エコチル調査研究部)
【背景】アレルギー疾患は環境的要因と遺伝的要因の双方がその発症に関与する多因子疾患である。アレルギー疾患におけるGWASについては主に喘息についての研究は多くなされているが、そのほかのアレルギー疾患や関連形質についての研究は少ない。またアレルゲンコンポーネントを対象とした感作に着目したGWASは行われていない。【目的】アレルゲンコンポーネントに対するIgE免疫反応性に寄与しているバリアントを検出する。 【方法】国立成育医療研究センターの出生コホート研究である成育コホート研究の参加者を対象とした。112種類のアレルゲンコンポーネント特異的IgE値はImmunoCAP ISAC sIgE 112 (サーモフィッシャー)で測定を行った。唾液もしくは血液から抽出したDNAを用いてAsian Screening Array(イルミナ)を使用して各個人の遺伝子型を決定した。全ゲノムリファレンスパネルを使用してインピュテーションを実施し、SAIGE を用いて関連解析を行った。【結果】成育コホートゲノム研究参加者のうち、9歳時のImmunoCAP ISAC sIgE 112のデータを利用可能であり、かつゲノム解析のquality controlをパスした参加者数は564名であった。14番染色体のimmunoglobulin heavy variable gene領域のバリアントとブタクサのアレルゲンコンポーネントAmb a 1の感作、また、6番染色体のHLAクラスII領域のバリアントとオオアワガエリのアレルゲンコンポーネントPhl p 1にGWASの有意水準を満たす関連が検出された。さらにHLA class II領域についてはプロフィリン感作に対する関連も検出された。【結論】アレルゲンコンポーネント感作の全ゲノム関連解析を行い、複数の関連領域を検出した。