講演情報
[P11-1]NKX2-1を含む14q13微細欠失により発達遅滞を示した4例
○町田 修1,2, 山本 圭子3, 田村 豪良4, 長谷川 結子5, 岡本 伸彦5, 山本 俊至1,6 (1.東京女子医科大学大学院 医学研究科 先端生命医科学系専攻 遺伝子医学分野, 2.東京女子医科大学 小児科, 3.東京女子医科大学 輸血細胞プロセシング科, 4.日本大学 小児科, 5.大阪母子医療センター 遺伝診療科, 6.東京女子医科大学 ゲノム診療科)
【はじめに】14q13.3に位置するNKX2-1の欠失はbrain-lung-thyroid症候群をきたすとされている。今回、稀な14q13微細欠失を示す新たな4例を経験し、共通する欠失領域にNKX2-1が含まれていたのでgenotype-phenotype相関を考察した。【症例】症例1は3歳男児で筋緊張低下があり、精神運動発達遅滞を示した。症例2は2歳男児で、症例1同様に筋緊張低下と発達遅滞を認めた。症例3は2歳女児で、生直後呼吸障害の既往がある。筋緊張低下、精神運動発達遅滞があり現在も歩行は不安定。甲状腺機能低下治療中である。症例4はは16歳男児で知的障害を示した。マイクロアレイ染色体検査で全例14q13微細欠失を示し、症例1は3.6-Mb、症例2は2.6-Mb、症例3は5.2-Mb、症例4は4.2-Mbの欠失であった。4症例の共通する欠失範囲にNKX2-1が位置していた。【考察】NKX2-1の欠失により先天性甲状腺機能低下、新生児期の呼吸障害、乳児期の筋緊張低下と、のちの不随意運動・小脳失調、そして知的障害などをきたすが報告されている。今回経験した4症例の症状にはばらつきがあり、症状には多様性があることが示唆される。