講演情報
[P27-10]臍帯動脈瘤を認めた6番染色体長腕部分トリソミーの1例
○山田 崇春, 後藤 芳充, 加藤 紀子 (日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 臨床遺伝診療科)
【はじめに】6番染色体長腕部分トリソミーは、周産期死亡例が多いが、生存例では生命予後が良好な稀な疾患である。今回、胎児期に臍帯動脈瘤を認め、出生後にSKY法により6番染色体長腕部分トリソミーと診断された症例を経験したので報告する。
【症例】母親は25歳、1妊0産、自然妊娠。既往歴・家族歴に特記すべきことなし。妊娠28週の妊婦健診で臍帯腫瘤を指摘され当院産婦人科へ紹介。初診時の超音波検査にて臍帯動脈瘤および単一臍帯動脈と診断、臍帯動脈瘤内の血栓形成の危険性を考慮し早期の娩出を図る方針とした。在胎34週5日、出生体重2315g、女児、帝王切開で出生し当院NICUへ入院。出生時、翼状頸、耳介変形、眼間開離、低位鎖肛、内反足、四肢の屈曲拘縮、心室中隔欠損症、水腎症を認めた。胃食道逆流に伴い右上葉の無気肺を繰り返したため胸部CT検査を施行、気管気管支分岐異常を認めた。ABR検査にて両側高度難聴と診断。生後1か月に低位鎖肛根治術を施行、内反足に対して矯正ギプス治療およびアキレス腱切腱を施行。先天性CMV感染症に対してGCV治療を施行。出生後のG分染法は46,XX,der(2)ins(2;?)(q24.2;?)で由来不明の派生染色体を認め、SKY法にて46,XX,der(2)ins(2;6)(q24.3;q12q23.3)と診断。経口哺乳に問題無く生後3か月でNICUを退院。両親に遺伝カウンセリングを施行し両親の転座保因者の可能性を説明、検査の希望は無く両親の染色体検査は未実施。
【考察】本症例はVACTERL連合に類似した所見を多数呈しており、染色体検査にて確定診断が得られた。臍帯異常は、染色体疾患や何らかの症候群のひとつの表現型として関連する場合があるので、胎児期から慎重なフォローが必要である。
【症例】母親は25歳、1妊0産、自然妊娠。既往歴・家族歴に特記すべきことなし。妊娠28週の妊婦健診で臍帯腫瘤を指摘され当院産婦人科へ紹介。初診時の超音波検査にて臍帯動脈瘤および単一臍帯動脈と診断、臍帯動脈瘤内の血栓形成の危険性を考慮し早期の娩出を図る方針とした。在胎34週5日、出生体重2315g、女児、帝王切開で出生し当院NICUへ入院。出生時、翼状頸、耳介変形、眼間開離、低位鎖肛、内反足、四肢の屈曲拘縮、心室中隔欠損症、水腎症を認めた。胃食道逆流に伴い右上葉の無気肺を繰り返したため胸部CT検査を施行、気管気管支分岐異常を認めた。ABR検査にて両側高度難聴と診断。生後1か月に低位鎖肛根治術を施行、内反足に対して矯正ギプス治療およびアキレス腱切腱を施行。先天性CMV感染症に対してGCV治療を施行。出生後のG分染法は46,XX,der(2)ins(2;?)(q24.2;?)で由来不明の派生染色体を認め、SKY法にて46,XX,der(2)ins(2;6)(q24.3;q12q23.3)と診断。経口哺乳に問題無く生後3か月でNICUを退院。両親に遺伝カウンセリングを施行し両親の転座保因者の可能性を説明、検査の希望は無く両親の染色体検査は未実施。
【考察】本症例はVACTERL連合に類似した所見を多数呈しており、染色体検査にて確定診断が得られた。臍帯異常は、染色体疾患や何らかの症候群のひとつの表現型として関連する場合があるので、胎児期から慎重なフォローが必要である。