講演情報
[P27-11]多発性骨髄腫にて施行した骨髄での染色体検査にてTurner症候群と診断された1例
○小野 寿子1,2, 小森 友紀子1, 白川 敦史1, 佐々木 奈々1, 柿原 直樹1 (1.京都第二赤十字病院 腫瘍内科, 2.京都府立医科大学大学院 創薬医学)
<症例>69歳女性。転倒による多発肋骨骨折、血胸にて当院救急外来紹介受診となった。貧血や腎不全があり、精査、治療目的に当日入院となった。精査にてM蛋白血症を認め、多発性骨髄腫が疑われ、骨髄検査が実施された。BJP型の症候性多発性骨髄腫の診断となり、透析導入、ボルテゾミブを含んだ抗がん剤治療が開始された。診断、治療方針決定のために行った骨髄での染色体検査にて46,X,+marと判明し、Turner症候群と診断され、当科の遺伝カウンセリング部門に紹介となった。
<経過>以前に無月経、不妊症の治療をおこなっていた経緯があることから、まずご本人に今回、検査目的外の染色体変化が見つかったことを血液内科の主治医から説明した。ご本人はすべてのことを把握しておきたいとの気持ちから夫の同席のもと結果説明を行う遺伝カウンセリングを希望された。染色体検査G分染法の結果を提示しながらTurner症候群について、起こりうる症状について、今後の留意点などを説明した。Turner症候群による現症として低身長、馬蹄腎、進行性難聴、骨粗鬆症があげられた。遺伝カウンセリング後には今までの原因不明だったことがはっきりして色々と納得できたとご夫婦の発言があった。
<考察>造血器腫瘍の診断、治療方針の決定において骨髄での染色体検査は必須である。本症例では検査の目的ではなかったが、性染色体異常であるTurner症候群の診断となった。これは二次的所見となるが、骨髄検査前に性染色体異常が見つかる可能性については説明をおこなっていない。性染色体異常は出生前診断や不妊症の精査にて診断されるのが一般的だが、がんの発症を契機に診断される場合があることを留意しておかねばならない。文献的考察をふまえて本症例の報告をする。
<経過>以前に無月経、不妊症の治療をおこなっていた経緯があることから、まずご本人に今回、検査目的外の染色体変化が見つかったことを血液内科の主治医から説明した。ご本人はすべてのことを把握しておきたいとの気持ちから夫の同席のもと結果説明を行う遺伝カウンセリングを希望された。染色体検査G分染法の結果を提示しながらTurner症候群について、起こりうる症状について、今後の留意点などを説明した。Turner症候群による現症として低身長、馬蹄腎、進行性難聴、骨粗鬆症があげられた。遺伝カウンセリング後には今までの原因不明だったことがはっきりして色々と納得できたとご夫婦の発言があった。
<考察>造血器腫瘍の診断、治療方針の決定において骨髄での染色体検査は必須である。本症例では検査の目的ではなかったが、性染色体異常であるTurner症候群の診断となった。これは二次的所見となるが、骨髄検査前に性染色体異常が見つかる可能性については説明をおこなっていない。性染色体異常は出生前診断や不妊症の精査にて診断されるのが一般的だが、がんの発症を契機に診断される場合があることを留意しておかねばならない。文献的考察をふまえて本症例の報告をする。