講演情報
[P27-3]当院における着床前染色体異数性検査（PGT-A）の検討
○竹内 茂人1,2, 綿重 直樹1, 菅谷 健1,2, 望木 郁代3, 今井 裕3, 橋詰 令太郎3, 奥川 喜永3, 中谷 中3 (1.済生会松阪総合病院 産婦人科, 2.済生会松阪総合病院 ART生殖医療センター, 3.三重大学医学部附属病院 ゲノム診療科)
【目的】着床前染色体異数性検査（PGT-A）により生産率の改善が得られるか調べるため日産婦のPGT-A特別研究が開始され、当院も分担施設として2020年4月より参加している。今回、我々の施設で実施したPGT-A症例、PGT-A胚を検討したので報告する。【方法】2020年4月から2022年5月までにPGT-Aを実施した41例を対象とした。平均年齢：40歳、適応：反復ART不成功：28例、反復流産：13例、解析胚：158個。【結果】（1）移植可能胚が得られた症例：32例（78.0%）、A判定胚（最適）：28例（68.3%）、B判定胚のみ（準適）：4例（低頻度モザイク：3例、高頻度モザイク：1例）（9.8%）、（2）解析結果判定（総数：158個） A胚：53個（33.5%）、B胚：19個（12.0%）、C胚（不適）：84個（53.2%）、D胚（判定不能）：2個（1.1%）、（3）年齢別解析胚結果、年齢群と胚評価（A、B、C、D）、35歳未満：3個（100%）、0個、0個、0個、35歳以上38歳未満：10個（33.3%）、8個（26.7%）、10個（33.3%）、2個（6.7%）、38歳以上40歳未満：20個（45.5%）、4個（9.1%）、20個（45.5%）、0個、40歳以上42歳未満：16個（34.0%）、5個（10.6%）、26個（55.3%）、0個、 42歳以上44歳未満：4個（15.4%）、2個（7.7%）、20個（77.7%）、0個、44歳以上：0個、0個、8個（100%）、0個、（4）臨床成績 1) 妊娠率（/症例）：81.8%（18/22）、2) 妊娠率（/周期）：65.5%（19/29）、流産率（/周期）：6.9%（2/29）3) 評価胚別（/周期）妊娠率・流産率 A胚：66.7%（16/24）、8.3%（2/24）、B胚：75.0%（3/4）、0%（0/4）、D胚：妊娠率：0%（0/1）。 【結論】年齢依存的に異数性胚は増加するものの、移植可能胚が獲得できればPGT-Aは生産率改善に有用と思われた。B胚しか得られずモザイク胚移植を選択せざるを得ない症例もあり、今後の課題と思われた。