講演情報
[P29-15]全身性エリテマトーデスにおけるXL9領域バリアントの関連解析およびHLA-DRB1との独立性の検討
○川崎 綾1, 近藤 裕也2, 藤本 隆3, 草生 真規雄4, 天野 浩文4, 田村 直人4, 草薙 恭圭5, 伊藤 健司5, 松本 功2, 住田 孝之2, 土屋 尚之1 (1.筑波大学 医学医療系 分子遺伝疫学, 2.筑波大学 医学医療系 膠原病内科, 3.香芝旭ヶ丘病院 リウマチ科, 4.順天堂大学 医学部 膠原病内科, 5.防衛医科大学校 膠原病・アレルギー内科)
【目的】全身性エリテマトーデス(SLE)の発症にはMHC領域が寄与しており、HLA-DRB1*03:01、HLA-DRB1*15、C4遺伝子のコピー数バリアントとSLEの関連が報告されてきた。最近、ヨーロッパ系、アフリカ系集団において、HLA-DRB1とDQA1の遺伝子間に位置し、HLA-class II分子群の発現に関連するXL9領域バリアントとSLEの関連が報告された。XL9バリアントとDRB1*15には連鎖不平衡が認められるが、両バリアントの関連の独立性は十分に解析されていない。本研究では、日本人集団におけるSLEとXL9バリアントの関連を検討し、さらにXL9バリアントとHLA-DRB1アリルの関連の独立性を解析した。【方法】SLE患者442例、健常対照者780例を対象として、XL9バリアントrs2105898およびHLA-DRB1アリルの関連解析を実施した。XL9バリアントはTaqMan法、HLA-DRB1はLuminex (PCR-rSSO)法にてアリルタイピングを行った。【結果】XL9 rs2105898TとSLEの関連が確認された (P=0.0016, オッズ比 1.34)。HLA-DRB1とXL9のハプロタイプ解析では、SLE群においてDRB1*15:01-rs2105898Tハプロタイプの増加が認められた(P=1.0x10-7)。コンディショナルロジスティック回帰分析を行ったところ、DRB1*15:01の関連はXL9で調整後も残存したが(P=7.6x10-6)、XL9の関連はDRB1*15:01で調整後に消失した(P=0.82)。【結論】日本人集団においてもXL9バリアントとSLEの関連が検出されたが、XL9バリアントの関連はHLA-DRB1*15:01との連鎖不平衡に起因する二次的な関連であることが示唆された。