講演情報

[P29-17]AMEDアンケート調査による保険収載されていない遺伝学的検査の精度管理の現状把握

中山 智祥1, 増井 徹2 (1.日本大学 医学部 病態病理学系臨床検査医学分野, 2.慶応義塾大学医学部)
検体検査の一つとして遺伝子関連検査が分類として確立し、その精度の確保についての医療法が2018年12月から施行された。本研究の目的は、日本における個々の研究室・施設を対象にアンケート調査を行い保険収載されていない遺伝学的検査の精度管理について、現況を把握することである。「国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)ゲノム創薬研究の推進に係る課題解決に関する研究(A課題)バイオバンク及びゲノム医療に係る検査の品質・精度の国際的基準構築と実施、及びバイオバンクの連携体制構築に関する研究をもとにした個々の研究室・施設における遺伝子関連検査・遺伝子解析について(研究代表者:増井徹)」をwebおよび郵送にてアンケートを行った。対象とした調査配布施設は全国遺伝子医療部門連絡会議の施設127施設、個々の研究施設87施設、登録衛生検査所118施設の計332施設である。 外部からの受け付けについては、大学の医局・研究室が60%を占めていた。使用している機器については、研究用機器使用が82%、臨床検査用機器使用が11%で、特に登録衛生検査所では研究用機器使用が100%を占めていた。使用している試薬はkit化されたものを購入しているが42%、自己調整しているが40%であった。内部精度管理については陰性コントロール、陽性コントロールあるいはその両方を使用している、同じサンプルを別の手法で測定するが多かった。外部精度管理評価については21%が実施しているとし、他施設とのクロスチェック、CAPサーベイが多かった。実施費用については研究費・医局費などで行うが72%、その68%が大学の医局・研究室であった。改正医療法で定められた必要書類については21%が揃えていた。 保険収載されていない遺伝学的検査の精度管理体制はまだ途上である。特に外部精度管理評価体制の構築が必要である。