講演情報
[P9-2]次世代シーケンサーを用いたクリニカルシーケンスの実施にあたって必要となるプログラム群およびパイプラインに関する検討
○田中 真生1, 野本 順子1, 佐藤 奈穂子1,2, 辻 省次1,2 (1.国際医療福祉大学 ゲノム医学研究所, 2.国際医療福祉大学 成田病院 遺伝子診断センター)
【背景】次世代シーケンサーを用いたクリニカルシーケンスを実現するにあたっては、多種多様なプログラムを準備した上で、それらを組み合わせてパイプラインを構築し、結果の出力までを実行する必要がある。
【方法】本研究所を2018年4月に立ち上げ、2021年11月に次世代シーケンサーを用いたクリニカルシーケンスの受託を開始するまでの間、準備が必要であったプログラム、パイプラインについて後方視的に検討を行った。
【結果】生殖細胞系列変異を検出するための主たるパイプラインは、GATK、BWA、VEPを用いて構築したが、多くの内部プログラムを含み、実行時のオプション指定も多彩であるため、動作方法の理解および至適な構成方法の確認に多くの時間を要した。また、アノテーション用データベースとして、dbSNP、gnomAD、jMorp(ToMMo)、CADD、SpliceAI、ClinVar、HGMD等の組み込みを行い、前述のプログラムを含め、アップデートを定期的に実施するためのサポートプログラムを準備した。これらに加え、ACMGガイドラインに基づく病原性判定の自動化(一部項目)、変異の検索に使用する遺伝子名のチェック、各検索対象遺伝子に対するカバレッジ情報の抽出、VCFファイルからの検査結果報告書の自動生成(HTML形式)、GIAB(Genome in a bottle)の精度管理用DNAを用いた内部精度管理の実施、コピー数変異の検出など、プログラム作成を必要とした工程は多岐に渡った。
【結語】各変異に関する標準的な情報に加えて、病原性の解釈を進める上で必要となる様々な有用な情報を、一括して提供できるシステムを構築した。また、すべてを内製で整備したことにより、機能の追加や変更、データのアップデート、臨床サイドからのニーズなどに対して、機動的に対応することが可能となった。
【方法】本研究所を2018年4月に立ち上げ、2021年11月に次世代シーケンサーを用いたクリニカルシーケンスの受託を開始するまでの間、準備が必要であったプログラム、パイプラインについて後方視的に検討を行った。
【結果】生殖細胞系列変異を検出するための主たるパイプラインは、GATK、BWA、VEPを用いて構築したが、多くの内部プログラムを含み、実行時のオプション指定も多彩であるため、動作方法の理解および至適な構成方法の確認に多くの時間を要した。また、アノテーション用データベースとして、dbSNP、gnomAD、jMorp(ToMMo)、CADD、SpliceAI、ClinVar、HGMD等の組み込みを行い、前述のプログラムを含め、アップデートを定期的に実施するためのサポートプログラムを準備した。これらに加え、ACMGガイドラインに基づく病原性判定の自動化(一部項目)、変異の検索に使用する遺伝子名のチェック、各検索対象遺伝子に対するカバレッジ情報の抽出、VCFファイルからの検査結果報告書の自動生成(HTML形式)、GIAB(Genome in a bottle)の精度管理用DNAを用いた内部精度管理の実施、コピー数変異の検出など、プログラム作成を必要とした工程は多岐に渡った。
【結語】各変異に関する標準的な情報に加えて、病原性の解釈を進める上で必要となる様々な有用な情報を、一括して提供できるシステムを構築した。また、すべてを内製で整備したことにより、機能の追加や変更、データのアップデート、臨床サイドからのニーズなどに対して、機動的に対応することが可能となった。