講演情報
[S19-4]大規模疾患ゲノムデータとインフォマティクス技術を活用した稀少疾患の病因・病態解明
○濵中 耕平 (横浜市立大学 大学院医学研究科 遺伝学)
次世代シーケンシングのコストの低下により、大規模な希少疾患ゲノムデータが蓄積されつつある。この状況を受けて、多症例のゲノムデータからシステマティックに疾患の原因遺伝子を同定するための手法が開発されている。このような手法を用いた解析はスケーラビリティが非常に高く、増える一方の希少疾患ゲノムデータを効率良く処理できる研究スタイルとして益々重要になると思われる。また、別の技術的な進歩として、深層学習のゲノムへの応用が挙げられる。深層学習モデルはインプットとなるDNA配列が最大で数十~数百キロ塩基対と非常に大きく、ゲノムが関わる様々な生命現象を柔軟に予測する。これらのモデルはコーディング領域外の変異の解釈を容易にし、希少疾患の原因変異の同定に貢献し始めている。本講演では、これら近年の発展が著しい技術に焦点を当てつつ、希少疾患の原因や病態の解明に向けた我々の研究成果を紹介したい。