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[T10-O-6]Synthetic quartz veins- textural evolution and pressure oscillation-

*Atsushi Okamoto1, Edward Vinis1 (1. Graduate School of Environmental Studies, Tohoku University)
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Keywords:

Synthetic quartz vein,hydrothermal experiment,fracture sealing,fault-valve model,fluid pressure oscillation

はじめに 地震発生帯には多くの石英脈が存在しており、シリカの析出は断層の強度や水理学的特性を大きく変化させ、地震活動に大きな影響を与えると考えられている。例えば、古くから知られるfault valve modelでは、(1) 流体圧の上昇、(2) 破壊(地震)浸透率の急上昇、(3) シーリングによる浸透率の低下と強度回復という流体圧の変動と地震サイクルの関係が提案されている[1, 2]。このシーリングにシリカ析出が大きく寄与すると考えられているが、これまでに実証された例は存在しない。我々は、これまで超臨界条件での様々なシリカ析出実験を行っており、基盤石英の成長だけでなく、準安定相(アモルファスシリカやクリストバライト)の形成、石英の核形成などが起こることを示してきた[3,4]。本研究では、花崗岩を用いた平行平板でのシリカによる亀裂閉塞、すなわち人工石英脈作成実験を行い、亀裂閉塞と破壊によって流体圧(浸透率)振動が起こさせることに成功した。X線CTによる多様なシリカの析出による間隙構造の変化を詳細に観察するとともに、析出が引き起こす流体圧振動の特徴について報告する。実験 模擬亀裂は、直径10mm, 長さ100 mmの花崗岩コア(庵治花崗岩)に幅6 mm, 厚さ 0.5 mmのスリットを導入することで作成した。この試料は、岩石コアを半分にカットし、平面研削によりスリットを作成、円筒研削盤により外周がステンレススチール(厚さ0.1 mm)のスリーブに隙間なくはまるように加工することで作成した。出発溶液は、亜臨界条件で花崗岩+曹長石を溶解させ、Si濃度が280 mg/kgH2O、Al濃度が5.1 mg/kgH2Oである。流通式反応実験は、下流の圧力を25MPaで一定とし、流体を一定流量0.2 ml/min で流した。上流を370˚C, 下流を425˚Cになるようにセットし、石英の水に対する溶解度は390-400˚C付近で急激に減少するために模擬亀裂内で析出させることができる。結果と考察 実験開始から、25時間後に上流の流体圧の上昇が開始した。下流の圧力は一定である。大きなもので少なくとも8回の流体圧の振動が観察され、それぞれのサイクルの中でより小さな流体圧の振動も観察された。一回の差圧の上昇は、はじめに緩やかで、徐々に加速し、最終的にまた緩やかになったのちに、10秒以内に差圧がほぼゼロまで急降下した。振動を繰り返しながら、差圧は大きくなり、最大で9 MPaの差圧がついた。37.5 時間以降はほぼ最高の差圧は~8 MPaで一定となった。実験後のスリット内部の様子をX線CTで観察した。内部で上流から下流までシリカの析出が観察されたが、空隙率は上流から低下し、3.75 cmのところで最小値0.017まで減少し、再び増加した。薄片と合わせて観察すると、上流からアモルファスシリカ、クリストバライト+石英の核形成、石英の核形成、基盤からの石英の成長へと系統的に変化した。最も閉塞した部分は、クリストバライト+石英から石英の核形成領域である。下流の石英の基盤からの成長が起こっているところでは、花崗岩の基盤の石英部分でのみで成長が起こり、亀裂全体の閉塞は起こらない。閉塞部分を観察すると、X線CTの解像度(10ミクロンメートル)において孤立した空隙が複数生じており、クラスターを生じていた。本実験により、Fault valveで予想されるような浸透率変化を再現されており、シリカの析出とシリカ相の破壊による流体圧の振動が観察された。本実験では、亀裂は大きなスリットであり、基盤の成長ではなくて、石英や準安定相がルーズに埋めたものであり、大きな空隙が残っているために、流体圧の上昇により、引張亀裂が生じ破壊したものと考えられる。徐々に、析出したシリカ相が増加するにつれて、接触面積が増大することで強度が増加したために、実験の最後では破壊がおこらなくなったものと考えられる。このように、少なくとも本実験条件に近い高温の地殻条件において、大きな流体流動が生じたときに。シリカ微粒子の形成、移動、付着は亀裂を局所的に閉塞させ、その破壊が起こることで、小さな流体圧振動を生じながら強度回復が進んでいくと考えられる。[1] Sibson, RH, 2014. J Structural Geology, 600, 142-152. [2] Audet P, Bürgmann R, 2014. Nature, 510, 389-392. [3] Okamoto, A., Saishu, H., Hirano, N., Tsuchiya, N., 2010. Geochim Cosmochim Act, 74, 3692-3706.

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