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[T14-O-5]Geological structure and seismicity in the Yaeyama Rift and Yonaguni Rift in the southern part of the Okinawa Trough

*Akane YAMAMOTO1,2, Makoto Otsubo2, Ayanori Misawa2, Ryuta Arai3, KH-23-11 Shipboard Scientists (1. Nihon Univ., 2. Geological Survey of Japan/AIST, 3. JAMSTEC)
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Keywords:

backarc spreading,earthquake,pore fluid pressure,Ryukyu Arc,rifting

地球表面のおよそ5%は背弧海盆由来のものであるといわれているが,その発達メカニズムについて,特に形成初期段階での力学的な特徴は詳しくは分かっていない.沖縄トラフは背弧拡大の初期段階であり(Sibuet et al., 1998),世界でほぼ唯一海洋底拡大する直前の状態を研究可能な背弧海盆である.沖縄トラフのうち,海底面が最も深く,かつ正断層群が明瞭に確認できる沖縄トラフ南部では,近年の反射法地震探査により,同海域の海底下の詳細な断層構造が明らかになっており,八重山海底地溝直下に下部からの貫入構造が存在する可能性が指摘されている(Arai et al., 2017)が,貫入構造に伴う熱水などの流体の上昇についての議論はほとんど行われていない.また,南部では毎年数千の震源の浅い地震が活発に発生している(e.g., Nakamura and Katao 2003).しかし,地震活動の地域的特性や,貫入構造や正断層群などの力学的構造との関係性は十分に理解されてはいない.そこで,本研究では反射法地震探査データと地震データを用いて,八重山海底地溝・与那国海底地溝での地質構造,地震活動および間隙流体圧異常の可能性について検討を行った.加えて,沖縄トラフ南部周辺のリフティングにかかわる力学特性について検討を行った.
本研究では,2024年に実施された白鳳丸KH-23-11航海(大坪ほか, 2024)で得られた反射法地震探査データを使用した.さらに,本研究での地震データは,防災科研F-net(https://www.fnet.bosai.go.jp/top.php?LANG=ja)で公表されている,2000年から2024年の期間での20 km以浅の発震機構解を使用した.ここでの発震機構解は過剰間隙流体圧の推定(Terakawa et al., 2010)に用いた.Terakawa et al. (2010)の手法とは,地震データ(発震機構解)の姿勢と応力場との差から,断層運動時の間隙流体圧の静水圧からの余剰圧を求めるものである.
本発表では,八重山海底地溝・与那国海底地溝を横断する反射断面からの,海底地溝周辺の正断層群と貫入構造の存在,および発震機構解の特徴と応力場の関係から示される,間隙流体圧異常の可能性を中心に紹介する.
引用文献: Arai, R., et al., 2017, J. Geophys. Res., 122, 622–641; Nakamura, M., and Katao, H., 2003, Tectonophysics, 372, 167–177; 大坪ほか, 2024, JpGU2024, SCG48-16; Sibuet, J.C., et al., 1998, J. Geophys. Res., 103, 30245–30267; Terakawa, T., et al., 2010, Geology, 38, 995-998.

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