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[T14-O-7]Granitic rocks exposed in the NE side of the Hizen Torishima Islands compared with the Goto Islands

*Tomo AOKI1, Osamu ISHIZUKA2, Yumiko HARIGANE2 (1. Japan Coast Guard, 2. AIST)
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Keywords:

East China Sea,granite,seismic reflection survey,K-Ar dating

西南日本弧の西端に位置する肥前鳥島は五島列島の南西方向の延長線上に位置する小規模な無人島である。五島列島南方域は五島海底谷を隔てて岩盤露出地域であることが知られており(徳山ほか, 2001)、肥前鳥島及び男女群島がその岩盤露出地域の南縁に位置している。20万分の1地質図幅「福江及び富江(松井・河田, 1986)」によると、肥前鳥島は花崗閃緑岩・トーナル岩と記載されており、五島列島の福江島に露出する花崗岩類と対比されるが、肥前鳥島の試料採取の困難性から地球化学的なデータに基づいた研究例は極めて少ない。同海域は対馬構造線のほか、五島海底谷に沿ってNW-SE走向の構造線による大きな横ずれ変位を被っている可能性も指摘されており(e.g., Liu et al., 2017)、肥前鳥島と福江島の地質的対比にあたっては精査が必要である。そこで本研究では、肥前鳥島の北東約3 kmの海底に存在する小丘及びその近傍において行ったドレッジにより得られた花崗岩類6試料を用いて、五島海底谷を跨ぐ南北の花崗岩類の対比を試みた。全岩主要元素組成に基づくノルムを用いた岩相分類により、採取した試料はgraniteであることがわかった。FeO*/MgO比とSiO2 wt.%は正の相関を示すことから、ソースマグマはMgに枯渇しておらず、二次的な地殻の部分溶融の影響を受けていないことが想定される。この結果は直接的にマントルから供給されたマグマに由来することが示唆される(Koga and Tsuboi, 2021)。また、AFMプロットの値はKoga and Tsuboi (2021)で報告された五島列島のgranodioritic (GD)グループや対馬で産する花崗岩(Shin et al., 2009)と同じトレンドに乗っていることがわかった。反射法地震波探査による調査の結果、平均数百m厚の堆積物層の下に基盤岩と考えられる音響基盤が福江島南西部から肥前鳥島周辺にかけて連続的に追跡でき、その一部が本研究のドレッジ地点にて地表に露出していることが認められた。この結果から、本研究で得られたgraniteは肥前鳥島を構成する物質と同質である可能性が高く、福江海盆を跨いで連続的に海底下に分布していることが確認できた。これらのことから五島列島や対馬と同様に日本海拡大に伴う一連のマグマ活動により形成された花崗岩であることが示唆される。さらに二点のgranite試料中の斜長石を用いてK-Ar放射年代測定を実施した。いずれも先行研究で得られている五島列島に露出する花崗岩類の年代値よりも若い年代が得られた。この結果は、肥前鳥島周辺に露出する花崗岩が五島列島を含めた一連の花崗岩体を形成したイベントの最終期に形成された可能性を示唆する。

References:
[1] 徳山ほか (2001) 海洋調査技術 13(1), 27-53.
[2] Liu et al. (2017) Marine Geophysical Research 38, 137-147.
[3] Koga and Tsuboi (2021) Minerals 11(3), 248.
[4] Shin et al. (2009) Resource Geology 59, 25-50.

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