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[T15-P-16]Geology and Rocks of Parent and Child Rocks and other oddly shaped rocks in the Samamni Coastal Area, Samani Town, Hokkaido, Japan.

*Satomi KATO1, Tetsuya SHIMADA2, Takashi INOUE2, Kiyoaki NIIDA2 (1. Mt. Apoi Geopark Visitor Center, 2. GeoLab Mt. Apoi (Mt. Apoi Geological Reserch Center))
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Keywords:

Neogene Sedimentary rock,porphyrite,Hokkaido

1.はじめに
 様似町の地質の東側のアポイ山塊を中心とする切り立った地形とは対照的に,その西側にはなだらかな丘陵地が広がり,海岸線沿いには様似の市街地が形成されている.海岸線には,大小いくつもの岩山が並び,この地域の景観的特徴を表す.この岩山と奇岩からなる独特の景観には,何百年も自然と共生してきた先住民族アイヌの人々の伝説が数多く残されている.岩山の一つであるエンルム岬は陸繋島で,この麓に1799年,江戸幕府がシャマニ会所を置いたことが様似町の黎明である.ジオパークのテーマの一つ「歴史から自然と人間社会の共生を学び楽しむ」を体験できる地域になっている.
 この岩山は新第三紀の貫入岩と考えられている(前田,1990).アポイ岳ジオパークの代表的なサイトとして,「様似海岸エリア」のサイトC1「塩釜トンネルとローソク岩」,C2「親子岩とソビラ岩」,C3「エンルム岬」,C4「観音山」となっている.
 本調査では,沖にある岩山である親子岩と,様似海岸エリアの波食棚と岩礁の調査を行った.様似町は2015年にユネスコ世界ジオパークに加盟しており,本調査によりこれらの奇岩と岩山の保全がより進むために、より詳細な地質分布図をつくることをめざした.
2.研究史
 この岩山については,鈴木・沢(1957)は様似漁港周辺の白亜系の中に,ひん岩が多数密集している分布図を報告した.また黒色頁岩や細粒砂岩などからなる多数の捕獲岩が含まれることに注目した.前田ほか(1990)は観音山の麓のひん岩について,16.5±0.8 MaのK-Ar 年代を報告した.古堅ほか(2010)はエンルム岬のひん岩について,全岩化学組成と同位体組成を報告した.ひん岩と呼ばれるこの岩石は,その組成からIUGSの火成岩分類図(Streckeisen, 1978)においてデイサイトにあたる.地方独立行政法人北海道立総合研究機構環境・地質研究本部地質研究所(2019)は,エンルム岬のひん岩から17.7 ± 0.4MaのK-Ar 年代を報告した.
3.調査結果・考察
 親子岩には船で上陸し,それ以外の岩山については干潮時に徒歩で調査を行った.その調査方法についても報告する.
 親子岩およびその波食棚は,ひん岩であった.波食棚から直径2 cmの細粒砂岩を記載した.これは白亜系に属する岩片の捕獲岩の可能性が考えられる.
 塩釜トンネル周辺の岩礁は,ひん岩であった.ところで新第三紀上杵臼層は、周辺では浦河町白泉の海岸と様似町平宇の海岸に産し,走行傾斜はおおむね海岸線に沿う(蟹江・酒井,2002).その中間部に位置する様似町塩釜トンネル周辺の岩礁において,化石を含む堆積岩露頭を記載した.化石を産することとその分布位置から,この露頭は新第三紀上杵臼層に属する可能性がある.
4.引用文献
鈴木醇・沢俊明(1957)北海道岩石雑記(16) 日高様似付近の玢岩岩脈.北海道地質要報,第35号.
前田仁一郎ほか(1990)北海道中央部の第三紀迸入岩類のK-Ar 年代と火成活動の時空変遷.地球科学44巻5号,231-244.
蟹江康光・酒井彰(2002)浦河地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1地質図幅).
古堅千絵・中川光弘・廣瀬亘・足立佳子(2010)前期~中期中新世の北海道中央部における火山岩の地球化学的特徴.地質学雑誌,第116巻,第4号,119-128.
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構環境・地質研究本部 地質研究所(2019)アポイ岳ジオパークにおける地質図編纂.
Streckeisen, A. L., 1978. IUGS Subcommission on the Systematics of Igneous Rocks. Classification and Nomenclature of Volcanic Rocks, Lamprophyres, Carbonatites and Melilite Rocks. Recommendations and Suggestions. Neues Jahrbuch für Mineralogie, Abhandlungen, Vol. 141, 1-14.

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