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[T15-P-23]Early Miocene forearc Volcanism in Motegi district, Tochigi Prefecture, Japan

*Hinako KOSAKA1, Jun HOSOI1, Takeshi HASEGAWA1 (1. Graduate School of Science and Engineering, Ibaraki University)
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Keywords:

Early Miocene,NE Japan Arc,Forearc,Basaltic andesite,Japan Sea opening

栃木県南東部に位置する茂木地域には,足尾帯のジュラ系を不整合に覆って,前期~中期中新世の中川層群 (下位から市場層,元古沢層,山内層,茂木層) が分布する (Kawada, 1953; 星・高橋, 1996).中川層群は火山岩類を主体とする陸成層からなり,古地磁気測定およびFTやK-Ar年代測定をもとに古地磁気層序が構築されている(Hoshi and Takahashi, 1997; 星, 1998, など).それによると,茂木地域の中川層群は約19~16 Ma頃の地層であり,日本海拡大期に活動した火山の堆積物から主に構成されている.
 茂木地域に分布する中川層群の火山岩類の組成は苦鉄質から珪長質なものに変化したことが明らかになっている (星・高橋, 1996).しかし,中川層群の一連の火山活動を対象とした研究はほとんどない.すなわち,日本海拡大に伴って当時の火山活動がどのような火山噴火変遷を辿ったのか,マグマ組成の変化があったのかは殆どわかっていない.茂木地域の一部の火山岩の岩石学的研究では,高TiO2ソレアイトという特異な組成の岩石や,火山岩類の成因が日本海拡大に関係するという考察がなされている (山元・山崎, 2023; 周藤ほか, 1985; 白水ほか, 1983など).従って,茂木地域における地質学・岩石学的研究は,日本海拡大による東北日本弧前弧域のテクトニクスを検討する上で重要であると考えられる.
 発表者らは,茂木地域における火成活動の変遷を高解像度で検討することを目的としている.本発表では,主に山内層における地質調査の結果と,そこから推定される火成活動について報告する.野外地質調査の結果では,山内層は溶岩と火山砕屑岩から主に構成されることが判明した.溶岩はクリンカーを伴った厚さ数十メートル程度の溶岩で,数枚の溶岩を識別することができた.火山砕屑岩はラハール堆積物 (淘汰が悪く,細礫~巨礫大の角礫~亜角礫の単一種の火山岩礫から構成される,まれに逆級化構造を示す) や,河川堆積物 (淘汰が良く,級化構造や成層構造が認められる) であると考えられた.ルートマップや柱状図からこれらの分布と相互関係を考察するとともに,火山岩の薄片観察と全岩化学組成分析結果を踏まえ,山内層における古火山活動について議論する.

文献:Kawada (1953) Sci. Rep. Tokyo Bunrika Daigaku, ser. C, 2, 217-307.星・高橋 (1996) 地質雑, 102, 25-39.Hoshi and Takahashi (1997) Jour. Geol. Soc. Japan, 103, 523-542.星 (1998) 地質雑, 104, 60-63.山元・山崎 (2023) 地質雑, 129, 165-177.周藤ほか (1985) 岩石鉱物鉱床学会誌, 80, 246-262.白水ほか (1983) 岩石鉱物鉱床学会誌, 78, 255-266.

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