Presentation Information
[G-P-26]3D reconstruction of seafloor micro-topography, surface geology, and artificial structures at Iheya-Minor Ridge, Mid-Okinawa Trough, from SfM analysis of Shinkai 6500 dive video
*Makoto KANEKO1, Kazuya KITADA2 (1. Fukada Geological Institute, 2. JAMSTEC)
Keywords:
Structure from Motion,seafloor micro-topography,surface geology,artificial structure,Mid-Okinawa Trough
有人潜水調査船「しんかい6500」による潜航調査では、研究者が海底を直接観察するとともに、高解像度の映像記録を取得できる。近年、これらの映像にStructure from Motion–Multi-View Stereo(SfM-MVS、以下SfM)解析を適用し、海底面の3次元モデルやオルソモザイク画像を構築する試みが進められている。
中部沖縄トラフは琉球弧の背弧海盆であり、伊平屋小海嶺周辺には活動的な熱水活動域が分布し、過去には掘削や人工構造物の設置が行われてきた(Kinoshita et al., 2022)。本研究では、2024年YK24-04C航海において「しんかい6500」が同海嶺の熱水活動域付近(水深約1570m)で取得した潜航映像を用い、海底地形・表層地質のSfM解析を行った。高感度HDビデオカメラおよび4Kステレオカメラ映像から静止画像を抽出・選別し、航法データに基づく位置情報を付与したうえで、Agisoft Metashapeにより3次元モデルおよびオルソモザイク画像を構築した。モデルのスケールは、人工構造物の既知寸法を用いて補正した。
解析対象は、海底面の観察条件が良好で画像重複率を十分確保できた熱流量観測点および人工熱水噴出孔の計9地点とした。その結果、砂泥底、礫質底および亀裂を伴う岩盤において、それぞれの表層構造や微地形が3次元的に再現された。砂泥底では平坦面やくぼ地などの微地形、礫質底では礫の分布、岩盤では亀裂を含む表層構造の連続性が明瞭に確認された。人工構造物を含む地点では、構造物と周辺地形との位置関係を3次元的に可視化できた。また、オルソモザイク画像は表層堆積物や礫の分布の整理に加え、対象物の寸法計測にも有効であった。一方、深海特有の低照度環境、浮遊物、撮影条件の偏りにより、局所的に点群密度や形状再現性が低下した。とくに特徴に乏しい平坦な砂泥底では3次元形状が正しく復元されず、地形が上下反転したような不自然な傾斜面としてモデル化される例もみられた。
これらの結果は、「しんかい6500」の潜航映像にSfM解析を適用することで、海底表層の微地形・表層地質および人工構造物の空間分布を3次元的に把握できることを示している。一方、画像間の重複率や撮影姿勢の安定性がモデル品質に影響することは知られており(Westoby et al., 2012; Hu et al., 2023)、本研究でも撮影距離、照明条件および画像重複率の違いが形状再現性を左右した。そのため、深海映像へのSfM適用では、撮影姿勢、移動速度、画像重複率および照明条件を可能な限り一定に保ち、既知寸法や航法データを用いて適切にスケールを付与することが、高品質なモデルを安定して構築するうえで重要である。
【参考文献】
Hu, K. et al., 2023, J. Mar. Sci. Eng., 11, 949.
Kinoshita, M. et al., 2022, J. Geophys. Res. Solid Earth, 127, e2021JB023923.
Westoby, M.J. et al., 2012, Geomorphology, 179, 300–314.
中部沖縄トラフは琉球弧の背弧海盆であり、伊平屋小海嶺周辺には活動的な熱水活動域が分布し、過去には掘削や人工構造物の設置が行われてきた(Kinoshita et al., 2022)。本研究では、2024年YK24-04C航海において「しんかい6500」が同海嶺の熱水活動域付近(水深約1570m)で取得した潜航映像を用い、海底地形・表層地質のSfM解析を行った。高感度HDビデオカメラおよび4Kステレオカメラ映像から静止画像を抽出・選別し、航法データに基づく位置情報を付与したうえで、Agisoft Metashapeにより3次元モデルおよびオルソモザイク画像を構築した。モデルのスケールは、人工構造物の既知寸法を用いて補正した。
解析対象は、海底面の観察条件が良好で画像重複率を十分確保できた熱流量観測点および人工熱水噴出孔の計9地点とした。その結果、砂泥底、礫質底および亀裂を伴う岩盤において、それぞれの表層構造や微地形が3次元的に再現された。砂泥底では平坦面やくぼ地などの微地形、礫質底では礫の分布、岩盤では亀裂を含む表層構造の連続性が明瞭に確認された。人工構造物を含む地点では、構造物と周辺地形との位置関係を3次元的に可視化できた。また、オルソモザイク画像は表層堆積物や礫の分布の整理に加え、対象物の寸法計測にも有効であった。一方、深海特有の低照度環境、浮遊物、撮影条件の偏りにより、局所的に点群密度や形状再現性が低下した。とくに特徴に乏しい平坦な砂泥底では3次元形状が正しく復元されず、地形が上下反転したような不自然な傾斜面としてモデル化される例もみられた。
これらの結果は、「しんかい6500」の潜航映像にSfM解析を適用することで、海底表層の微地形・表層地質および人工構造物の空間分布を3次元的に把握できることを示している。一方、画像間の重複率や撮影姿勢の安定性がモデル品質に影響することは知られており(Westoby et al., 2012; Hu et al., 2023)、本研究でも撮影距離、照明条件および画像重複率の違いが形状再現性を左右した。そのため、深海映像へのSfM適用では、撮影姿勢、移動速度、画像重複率および照明条件を可能な限り一定に保ち、既知寸法や航法データを用いて適切にスケールを付与することが、高品質なモデルを安定して構築するうえで重要である。
【参考文献】
Hu, K. et al., 2023, J. Mar. Sci. Eng., 11, 949.
Kinoshita, M. et al., 2022, J. Geophys. Res. Solid Earth, 127, e2021JB023923.
Westoby, M.J. et al., 2012, Geomorphology, 179, 300–314.
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