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[T14-O-16]Geological investigation and conservation efforts regarding stone cultural assets in Kagoshima prefecture, particularly the stone structures utilized at Sengan-en, a site enlisted as a World cultural Heritage

*HAFIZ U. REHMAN1, Shunta NAGATA1, Junne KIKATA1, Kimihiko OKI1 (1. Kagoshima University)
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Keywords:

stone products,Volcanic rocks,Welded tuff,Cultural heritage,Weathering & erosion

 鹿児島県では約70万年前から鹿児島地溝に沿って火山活動が始まり、現在も続いている。この火山活動に伴って4つのカルデラ(加久藤、姶良、阿多、鬼界)から噴出した大規模火砕流由来の溶結凝灰岩が県の広い範囲を覆っている。その結果、県内には異なる岩石学的特徴や異なる成分をもつ溶結凝灰岩が数多く分布している。一般に溶結凝灰岩は軽くて加工しやすいため、鹿児島県では昔から多くの石造物の石材として使われてきた。そのため、鹿児島県は県産石造文化が栄え、県や国指定の文化財が多数登録されている。県内では様々な溶結凝灰岩で造られた石蔵、石垣、石塀、墓石、さらには石橋、防波堤などは今でも複数箇所で確認できる。とくに薩摩藩島津家の鹿児島城や世界文化遺産にも登録された島津家別邸の仙巌園にも溶結凝灰岩の石材が多く使用されている。このように鹿児島県は火山活動に由来する溶結凝灰岩の宝庫と言うことができ、地質学的および石造文化的観点から全国的にも極めて特異な地域である。しかし、環境の変化(都市化、採石可能な露頭の枯渇)や、社会状況の変化(高齢化に伴う技術者不足、石材市場の国際化)等によって、地元産の石材の確保・使用が近年困難になり、石造物の維持管理が難しく深刻な問題になっている。本発表は、鹿児島県の石造文化財の保全や採石場の現状維持について触れ、とくに世界遺産に登録されている磯地区の重要文化財となっている仙巌園の石造物を対象とし、園周りの石垣、園内の蔵の束石を調査し、地元産の凝結凝灰岩から作られている石造物の評価と石材の劣化について実施した調査内容について報告する。仙巌園は、鹿児島湾奥部に面しており、一年中潮風にあたることから、石造物の塩害風化や劣化が顕著になっている。その劣化の要因を明らかにするために調査を実施し、現地及び研究室内で分析・解析を行った。その結果、仙巌園の周りの石垣や蔵の基礎となる束石の観察では風化が著しく進んでいる石材が多数存在し、また、同じ蔵の礎石や石垣の一部には風化の影響をほとんど受けていない石材も確認できた。風化の影響を受けている石材と受けていない石材、それぞれを、現地において、非破壊のポータブル蛍光X線分析装置を用いて成分分析を行った。風化の影響を受けていない束石からもある程度の塩分が検出されたが、風化の影響が顕著である束石からは30〜50%以上の塩分が検出された。ほとんどの溶結(弱溶結を含む)凝灰岩の束石は高多孔性の特徴を持っており、長い年月の潮風の影響で多孔には海水に含まれている塩分が付着していると解釈できる。一方、石材の表面から検出されなくても、中心までに続く多孔には海水が入り、水が蒸発した後、塩分がそのまま付着されたと考えられる。さらに、束石を市水で洗浄し、約1週間乾燥させた後の観察では、束石の表面が以前よりも白くなり、優白色の結晶物質が束石全体に現れた。ルーペによる観察では塩の結晶と類似し、味見するとしょっぱく、海水と変わらないと確認できた。以前、成分分析を実施した箇所を改めて分析した結果、さらに高濃度の塩分(70%を超える)が検出された。蒸留水で塩分を除去し、再び分析すると通常の凝灰岩の成分と変わらない結果が得られ、乾燥させると再び優白色の結晶が出現した。このことから、仙巌園の石材は海水・潮風の影響を受けており、塩害風化が進んでいることが明らかとなった。蔵の基礎の石材に含まれる塩分濃度が異なる理由として、以下のことが言える。外側に設置されている束石は通常雨水などがかかるために自然洗浄され、塩害が少ないことに対して、蔵の中側に設置されていた束石は洗浄されにくく、高濃度の塩分を保持している。地質学的特徴から評価すると、均質な束石は風化を受けにくい性質を持っているが、火砕流堆積時の複数のフローユニットが認められる場合や不均質な束石は塩害を受けやすい性質を持っていることも今回の調査でわかってきた。今後、地質調査および分析や3D解析を行うことで、世界遺産登録の文化財の保全に向けて、研究を行いたい。

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