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[T4-O-11]Origin and Triassic partial melting of mafic rocks in the Oki metamorphic rocks★2026年度学生優秀発表賞受賞★

*Mizuki Takahashi1, Shunsuke Endo1, Atsushi Kamei1, Kenji Horie2, Mami Takehara2, Yoshihiro Asahara3, Yusuke Shimura3 (1. Shimane Univ., 2. National Institute of Polar Research, 3. Nagoya Univ.)
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【ハイライト講演】隠岐変成岩類は18.5億年前と2.3–2.2億年前の2度の変成作用を経験している.苦鉄質岩類は高温変成作用を被っているが,その年代は不明であった.本講演ではジルコンU–Pb年代と全岩化学組成から,原岩が約13億年前の大陸分裂に伴う火成活動に由来し,約2.3~2.1億年前に部分溶融を伴う高温変成作用を受けたことを示す.これは隠岐と北中国地塊の関連に新たな制約を与える成果である.※ハイライト講演とは...

Keywords:

Oki metamorphic rocks,Mesoproterozoic,LIPs


 島根県の隠岐島後に分布する隠岐変成岩類は,主に古原生代の堆積岩および少量の花崗岩類を原岩とし,約18.5億年前および2.3–2.2億年前の二度の変成作用を受けたことが知られている (Cho et al., 2021; Kawabata et al., 2022).主要な岩相は砂泥質片麻岩および花崗岩質片麻岩であり,苦鉄質グラニュライトや角閃岩などの苦鉄質岩類を伴う.苦鉄質岩類は砂泥質片麻岩の面構造を切る産状を示す露頭もみられる.近年,これら苦鉄質岩類が部分融解を伴う低圧グラニュライト相の変成作用を経験したことが明らかにされた (Takahashi et al., 2023).しかし,この高温変成作用が古原生代とトリアス紀のいずれに対応するのかは未解明である.この問題の解明は,隠岐変成岩類のテクトニクスや世界に散在する原生代の地質帯との広域対比を考える上で重要である.本研究では,隠岐島後の苦鉄質岩類2試料のSHRIMPジルコンU–Pb年代,および苦鉄質岩類8試料の全岩化学組成について報告する.
 苦鉄質グラニュライト試料 (1206B) のジルコンは,透明な粒子と汚濁した粒子に分類される.CL像観察では,透明な粒子はコア-リム構造を呈し,暗いコア (Th/U < 0.05) と明るいリム (Th/U > 0.2) からなる.一方,汚濁した粒子には不定形の暗いコア (高Th/U比) が認められた.低Th/U比コアとTh/U > 0.2 を示すリムからは,それぞれ232 ± 2 Maおよび212 ± 2 Maの加重平均年代が得られた.高Th/U比をもつ不定形の暗いコアのU–Pbデータは大部分がディスコーダントであったが,ディスコーディア直線から1324 ± 25 Maのアッパーインターセプト年代が得られたほか,コンコーダントな分析点 (Th/U = 2.1) から1312 ± 14 Maの年代が得られた.角閃岩化したグラニュライト試料 (1028_3) のジルコンでは,年代差を伴わないコア-リム構造が認められ,219 ± 2 Maの加重平均年代を示した.
 苦鉄質岩類の全岩化学組成では,Zr/Ti–Nb/Y図 (Winchester and Floyd 1977)においてサブアルカリ玄武岩にプロットされた.REEパターンでは、Light REEに富む特徴が認められた.また,Pearce and Norry (1979)の判別図ではプレート内玄武岩領域にプロットされた.
 これらの結果は,苦鉄質グラニュライトの原岩が約13億年前のプレート内玄武岩組成を有した岩脈であったことを示唆する.したがって,これら苦鉄質岩類は古原生代の変成作用は受けておらず,トリアス紀以降の地殻内変成作用のみを経験したことを示す.トリアス紀の低圧グラニュライト相変成作用は,低Th/U比の変成ジルコンが成長した約232 Maのプログレードステージと,212 Maまで継続した部分融解に伴うメルト存在下でのジルコン成長ステージに区分される可能性がある.隠岐苦鉄質岩類の原岩形成時期に相当する中原生代(約13億年前)には,ヌーナ超大陸の分裂に関連した苦鉄質岩脈群が,北中国地塊のYanliao LIPsなどとして報告されている(Zhan et al., 2017).これら苦鉄質岩脈群はプレート内ソレアイト質マグマの化学組成を示し,本研究で対象とした苦鉄質岩類の火成年代および地球化学的特徴と類似する.そのため,隠岐島後の苦鉄質岩類の原岩は,中原生代の大陸分裂を引き起こしたLIPs関連火成活動に由来する可能性が高く,隠岐変成岩類と北中国地塊とのテクトニックな関連性を示唆する.
References:
Cho et al. (2021) Lithos, 396-397, 106217.
Kawabata et al. (2022) J. Metam. Geol., 40, 257-286.
Pearce and Norry (1979) Contrib. Mineral. Petrol., 69, 33–47.
Takahashi et al. (2023) Island Arc, 32(1), e12497.
Winchester and Floyd (1977) Chem. Geol., 20, 325–343.
Zhan et al. (2017) EPSL, 465, 112-125.

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