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[T4-O-16]Strain analysis from platy minerals in severely deformed Hitotsunashi conglomerate schist

*Renya SUZUKI1, Miki TASAKA1, Toshiaki MASUDA1, Kenji KUSUNKI1 (1. Shizuoka Univ.)
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Keywords:

Strain analysis,Hitotsunashi conglomerate schist,Muscovite,Chlorite,Crystallographic preferred orientation


 変成岩における変形解析では、歪マーカーを用いた有限歪解析と、鉱物の結晶方位定向配列(CPO)に基づく解析がそれぞれ発展してきたが、両者を同一試料内で定量的に比較した例は多くない。そこで本研究では、歪マーカーを含む一梨礫岩片岩を対象とし、礫形態に基づく有限歪解析と層状フィロ珪酸塩鉱物のCPO解析を併用して、両者の幾何学的対応関係を検討した。
試料は岐阜県楢谷地域に分布する一梨礫岩片岩(束田ほか、2004)であり、最大アスペクト比約30に達する花崗岩質礫を含む礫岩片岩である。面構造および線構造を基準に、XZ面(線構造を含み面構造に直交する面)およびXY面(面構造に平行な面)で薄片を作製した。両断面において礫の長短軸比および長軸方位を測定し、有限歪楕円体を復元した。その結果、Flinn diagram における歪パラメータ k_F = 0.35 を示し、有限歪楕円体は flattening field に位置した。
一梨礫岩片岩中のアスペクト比が異なる石英礫中の石英のCPOと形態定向配列(SPO)をEBSDにより測定した。EBSD解析の結果、石英のCPOには礫のアスペクト比に応じた系統的な違いは認められなかった。一方、石英粒子のSPOは高アスペクト比の礫ほど伸長方向に集中した。また、粒子内部に顕著な転位組織や亜粒界が乏しいことから、礫形態の変化は結晶内部の転位すべりよりも、粒子境界を介した変形・再配列を主に反映している可能性がある。
また、同礫岩片岩中の礫を構成する白雲母および緑泥石(粒径約5 μm)のCPOをEBSDにより測定した。その結果、フィロケイ酸塩鉱物である白雲母と緑泥石の c面は面構造に平行で、c軸は有限歪楕円体の短縮軸に平行する幾何学的対称性を示した。さらに、Masuda and Omori (2021) に基づき、白雲母CPOと緑泥石CPOの極点図パターンから結晶方位集中度を評価したところ、白雲母は集中度パラメータ(K_CPO = −2.5, ψ= 0.1)を示し、緑泥石は(K_CPO=-1.5,ψ= 0.25)を示した。これらの値は面状配向を示し、有限歪の幾何学的特徴と整合的である。さらに白雲母と緑泥石中の組成ゾーニングをEPMAにより測定した。その結果、白雲母および緑泥石には明瞭な組成ゾーニングは認められず、少なくとも鉱物粒子内に組成変化を伴うような顕著な溶解–析出過程は確認されなかった。これらのことから、この試料中の礫は拡散クリープもしくは鉱物の剛体回転によって変形したと考えられる。
以上より、フィロ珪酸塩CPOは有限歪楕円体の幾何学的軸情報を反映していることが確認された。本研究は、歪マーカーを含まない変成岩においても、フィロ珪酸塩CPOに基づき有限歪の幾何学的特徴を推定できることを示す。
引用文献
束田ほか (2004) 地質学雑誌,第110巻,第10号,640-658ページ,飛騨外縁帯の再定義
Masuda and Omori (2021) Journal of Structural Geology,146,104275

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