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[T18-P-7]Oxygen isotope-magnetostratigraphy across the PRISM time-slab and time-slices from Pliocene marine successions in Boso and Miura peninsulas, central Japan

*Yuki Haneda1, Takaki Sato2, Hiroto Kajita2, Yoshimi Kubota3, Masayuki Utsunomiya1 (1. Geological Survey of Japan, AIST, 2. Hirosaki University, 3. National Museum of Nature and Science, Tokyo)
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Keywords:

Awa Group,Miura Group,Foraminifera,Paleomagnetic boundary

 鮮新世は,現在よりも温暖な気候と完新世より⾼い⼤気中 CO₂ 濃度によって特徴づけられる.そのため,鮮新世の古気候復元は,将来の⼈為起源気候変動を評価するための重要なアナログを提供する.⽶国地質調査所(USGS)は,鮮新世の古気候復元と将来の気候予測 との⽐較を⽬的として,「Pliocene Research, Interpretation and Synoptic Mapping(PRISM)」プロジェクトを推進してきた(Dowsett et al., 2023).PRISM では,海洋酸素同位体ステージ (MIS)M1/M2〜G20/G21 に相当する中期ピアセンジアン温暖期(mid-Piacenzian Warm Period: mPWP)を主要な対象年代区間とし,さらに現在に近い軌道要素を有し近傍の古地磁気境界による年代制約が容易な間氷期であるMIS KM5c(3.21 Ma),MIS N1(4.47 Ma),MIS Si5(4.87 Ma)を代表的な時間断⾯として設定している.しかし,⼤⻄洋域では詳細な記録が整備されている⼀⽅で,北⻄太平洋におけるmPWPおよびPRISM時間断⾯の古気候変動は⼗分に解明されていない.北半球気候変動に強く影響する⿊潮を有する北⻄太平洋において,これら温暖期の古気候記録を取得することは,将来の温暖化環境に対する海洋・気候システムの応答を理解するうえで重要である.本研究では,房総半島⻄部(千葉県富津市)および三浦半島北部(神奈川県逗⼦市)に分布する海成鮮新統を対象に,酸素同位体層序および古地磁気層序を統合し,mPWP およびPRISM時間断⾯(MIS KM5c,MIS N1,MIS Si5)の認定と年代層序学的枠組みの構築を⾏った.
 mPWP は房総半島の安野層上部から三浦半島の池⼦層にかけて認められる.指標テフラ 層に基づいて対⽐された両地層では三浦−房総複合酸素同位体層序が構築され,mPWP を含むMIS Gi1〜G15に対⽐される(Utsunomiya et al., 2023; Haneda et al., 2025).また,この複合記録では,mPWP直前の顕著な氷期であるMIS M2も明瞭に認識される.
 MIS KM5cは房総半島⻄部の安野層最上部に認められる.⻑崎セクションで構築された酸素同位体−古地磁気複合層序には,MIS KM5cの層序指標であるMammoth逆磁極亜帯上限境界と,MIS KM5に相当する間氷期が認められる(Haneda et al., 2025).さらにMammoth逆磁極亜帯上限境界の極性遷移帯層準には,池⼦層と安野層間で対比されるIkT16-An157.5テフラ層が挟在し(Utsunomiya et al., 2023),これはMIS KM5の指標テフラとして有⽤である.しかし,その直後のMIS KM4は,⻑崎セクションにおける安野層が上限に達することから, 酸素同位体層序では確認することができない.
 MIS N1は房総半島⻄部の安野層最下部に認められる.Haneda and Okada(2019)は,MIS N1の層序指標であるNunivak正磁極亜帯上限境界を,安野層下限を規定するAn1テフラ層の数m上位に認定した.本研究では,志駒川セクションにおける安野層最下部14 m区間に ついて,10 cm間隔で底⽣有孔⾍酸素同位体⽐分析および古地磁気分析を実施した.その結果,Nunivak 正磁極亜帯上限境界はAn3 テフラ層の約1 m 下位に位置することが明らかとなった.また,酸素同位体層序は,対象区間がMIS N4〜CN6 に対⽐され,MIS N1のピー クがAn3〜An4テフラ層の間に位置することを⽰す.
 MIS Si5は房総半島⻄部の清澄層中部に認められる.相川セクションにおける予察的古地磁気分析の結果,MIS Si5の層序指標となるSidufjall正磁極亜帯下限境界が,房総・三浦両半島に広く追跡されるKy21(Hk)テフラ層の数m下位に認められた.このことは,MIS Si5がKy21 テフラ層準付近,あるいはその直上に位置することを⽰唆する.
 以上の結果は,房総半島および三浦半島の海成鮮新統においてPRISM対象年代区間および時間断⾯を⾼精度に認定できることを⽰す.10〜数10cm/千年の比較的⾼い堆積速度と豊富な指標テフラ層に特徴付けられたこれらの地層は,北⻄太平洋縁辺域における鮮新世古気候復元の標準セクションとして有望であり,千年スケールの⾼解像度古気候記録の取得が期待される.

Dowsett, H. J. et al. (2023) Stratigraphy, 20, 225–231.
Haneda, Y. et al. (2019) PEPS, 6, 6.
Haneda, Y. et al. (2025) Newsletters on Stratigraphy, 58, 265–289.
Utsunomiya, M.et al. (2023) PEPS, 10, 25.

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