Presentation Information
[T18-P-9]Integrated chronostratigraphy and age model reconstruction of Miocene sediment cores from the Japan Sea in ReCoRD
*Daisuke KUWANO1, Arisa SEKI2, Yuji KATO3, Kenji M. MATSUZAKI4, Hiroki HAYASHI5, Jumpei YOSHIOKA6, Yoshitaka NAGAHASHI7, Takuto ANDO8, Tomohisa IRINO9, Ryuji TADA10 (1. Kyoto University, 2. Fukada Geological Institute, 3. Kochi University, 4. The University of Tokyo, 5. Shimane University, 6. National Institute of Polar Research, 7. Fukushima University, 8. Akita University, 9. Hokkaido University, 10. Chiba Institute of Technology)
Keywords:
Japan Sea,Repository Core Re-Discovery Program (ReCoRD),Miocene,Integrated chronostratigraphy,Age model
日本海はユーラシア大陸と日本列島に囲まれた半閉鎖的な縁海であり,水深が深い堆積盆を有している一方で,外洋と接続する海峡が浅いことを特徴とする.こうした地形的特性により,日本海の海洋環境は,アジアモンスーンに伴う降水量変化や陸水流入など,東アジアの大気・海洋循環と密接に関連している(e.g., Tada et al., 1999).したがって,日本海の堆積物は,過去の東アジア地域における気候変動や海洋環境変動を復元する上で重要な記録媒体である.日本海では,1989年の国際深海掘削計画(ODP) Leg 127(Tamaki et al., 1990),および2013年の統合国際深海掘削計画(IODP)Expedition 346(Tada et al., 2015)により,海底堆積物の掘削が実施され,これまでの多くの研究が進められてきた.さらに,2024年には,レポジトリコア再解析プログラム(ReCoRD)が実施され,2度の日本海の掘削航海で採取されたコア試料を活用し,中新世の古海洋環境変動を高時間解像度で復元するプロジェクトが進められている.しかし,ODP Leg 127で掘削されたサイトの鮮新世以前の年代モデルは,32年前のTada (1994) 以降改訂されていないため,現在の層序学的枠組みに基づくGeologic Time Scale (GTS) 2020 に準拠した年代モデルの再構築が求められる.そこで本研究では,ODP Leg 127の3サイト(Sites 794,795,797)を対象に,微化石層序,テフラ対比,FMS対比および放射年代を統合した年代層序を構築し,それに基づく年代モデルを再構築することを目的とした.
本研究で対象とした区間はSite 794の168.50–544.85 m,Site 795の365.20–676.95 m,およびSite 797の214.30–553.71 mである.まず,浮遊性有孔虫化石(Brunner, 1992),石灰質ナノ化石(Rahman, 1992),珪藻化石(Tamaki et al., 1990; Koizumi, 1992)および放散虫化石(Alexandrovich, 1992)の既存データを再解釈し,微化石層序および年代基準面の再評価を行った.加えて,Site 794の放散虫化石については,新たに検討を行い,年代基準面の認定を行った.また,高知コアセンターに保管されているレガシーコアからテフラ試料を採取し,火山ガラスの化学組成に基づいてサイト間のテフラ対比を行った.さらに,テフラに含有するジルコンを対象にU-Pb年代測定を実施した.これらの結果に加え,既存のFMS対比(Tada, 1994)およびテフラのAr-Ar年代(Barnes et al., 1992)を統合して年代層序を構築し,各サイトの年代モデルを改訂した.
Site 794および797の検討区間上部では,珪藻化石および放散虫化石が豊富に産出し,多くの年代基準面が認定された.一方で,検討区間下部では,珪質微化石がオパールCTや石英へ続成変化をしているため,年代モデルの構築は主に浮遊性有孔虫化石および石灰質ナノ化石の年代基準面に基づいて実施した.また,Site 794と797において本研究により1枚のテフラが対比され,さらに既存研究による2区間のFMS対比が利用可能であることから,両サイト間の対比および年代モデルをより強く制約することが可能となった.一方,Site 795では,既存の微化石層序のデータが限られるため,年代基準面は少ないものの,本研究で新たに得られたテフラのジルコンU-Pb年代とは矛盾しない年代モデルが得られた.本研究によって再構築された年代モデルにより,ODP Leg 127の日本海中新統堆積物から得られる古気候・古海洋記録をIODP Exp. 346の日本海サイトや他地域の記録と比較することが可能となり,本研究で構築した年代モデルは,日本海中新世古海洋環境復元の基盤となることが期待される.
【引用文献】
Alexandrovich, 1992, Proc. ODP, Sci. Res., 127/128, 291–307.
Barnes et al., 1992, Proc. ODP, Sci. Res., 127/128, 115–130.
Brunner, 1992, Proc. ODP, Sci. Res., 127/128, 187–224.
Koizumi, 1992, Proc. ODP, Sci. Res., 127/128, 249–289.
Rahman, 1992, Proc. ODP, Sci. Res., 127/128, 171–186.
Tada, 1994, Palaeogeogr. Palaeoclimatol. Palaeoecol., 108, 487–508.
Tada et al., 1999, Paleoceanography, 14, 236–247.
Tada et al., 2015, Proc. IODP, vol. 346.
Tamaki et al., 1990, Proc. ODP, Sci. Res., Init. Rep., 127, 421pp.
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