Presentation Information

[T18-P-14]Stratigraphy across the Lower-Upper Cretaceous boundary and numerical ages of the Yezo Group in the Oyubari and Shumarinai areas, Hokkaido, Japan

*Reishi Takashima1, Brad S Singer2, Mark Schmitz3, Youjuan Li4, David Selby5 (1. Tohoku University, 2. Wisconsin, 3. Boise State University, 4. Chinese Academy of Sciences, 5. Durham University)
PDF DownloadDownload PDF

Keywords:

Cretaceous,Yezo Group,Geologic Time Scale

 前期/後期白亜紀境界はアルビアン/セノマニアン期境界に相当し,赤道大西洋ゲートウェイの開通が始まった重要な時期である.この開通に伴い,南大西洋は無酸素環境が卓越する閉鎖的海盆から,より酸化的な環境へと変化した.しかし,境界付近は世界的に不整合が広く認められ,連続した海成層が得られる地域は限られている. 北西太平洋の活動的大陸縁辺に形成された前弧海盆堆積物である蝦夷層群は,バレミアン階からカンパニアン階まで不整合をほぼ挟まない連続層序を示す.さらに,国際対比に有効な示準化石を豊富に含み,放射年代測定に適した珪長質凝灰岩を頻繁に挟むため,白亜紀の数値年代尺度の構築において国際的に重要な役割を果たす.本研究では,大夕張,苫前,および朱鞠内地域の蝦夷層群(アルビアン階上部~セノマニアン階下部)に焦点を当て,微化石・大型化石・化学層序(炭素・オスミウム同位体比)の統合的検討と,凝灰岩の放射年代測定により,アルビアン/セノマニアン階境界の正確な年代値の決定を試みた.本研究の対象区間は,暗灰色泥岩を主とする日陰ノ沢層下部に相当するが,アルビアン/セノマニアン階境界を含む層準には,タービダイト砂岩を頻繁に挟む「金尻砂岩部層」が挟まる.この部層は,大夕張および朱鞠内地域では厚さ10 cm以下の砂岩層が挟まる泥岩優勢の互層であるのに対し,苫前地域では厚さ1 mを超える砂岩層が卓越する砂岩優勢の互層となる.日陰ノ沢層中に頻繁に挟まる凝灰岩は,厚さ数 cm~1 m程度で,黒雲母を豊富に含むものが多い.大型化石については既存研究(Matsumoto et al., 2003など)に基づき,Graysonites wacoensis, Mariella pacifica, M. dorsetensis, Mantelliceras saxbii などの示準化石の産出層準を対比に用いた.浮遊性有孔虫化石については朱鞠内,大夕張,苫前地域で検討を行い,Planomalina buxtrofi, Pseudothalmanninella ticinensis, Thalmanninella tehamaensis, Th. globotruncanoides など,テチス地域の主要な年代示準種を確認した.ただし,浮遊性有孔虫化石の産出は非連続であり,全体を通じて産出しない層準が卓越する.有孔虫化石処理後の残渣から木質・植物片を100~200個体抽出して測定した有機炭素同位体比曲線は,テチス地域で識別されている4つの正のピーク(ピークA~D)と明瞭に対比された.セノマニアン階基底のGSSP(フランス・Risouセクション)で定義されるピークCとDの間の層準は,蝦夷層群においては金尻砂岩部層の中部に位置し,上記の化石層序の結果とも調和的である.さらに,GSSPを含めこれまで詳細な検討がなされていなかった境界付近のオスミウム同位体比層序を明らかにした.アルビアン階最上部からセノマニアン階基底部にかけてオスミウム同位体比が0.70から0.55へと徐々に減少し,その上位で0.70へ急激に戻る変動が認められ,この基底部における明瞭な負のエクスカーションは新たな国際対比基準面となる可能性が高い.アルビアン階およびセノマニアン階下部に挟まる凝灰岩からジルコンとサニディンを抽出し,それぞれCA-ID-TIMS法によるU-Pb年代,40Ar/39Ar年代測定を実施した.その結果,アルビアン階最上部の凝灰岩から100.884 ± 0.108 Ma,セノマニアン階基底~下部の複数の凝灰岩から99.766 ± 0.054~98.821 ± 0.052 Maの年代値が得られた.これらに基づき,アルビアン/セノマニアン階境界の年代値は 100.74 ± 0.10 Ma と見積もられた.
引用文献
Matsumoto et al. (2003) Bulletin of the Geological Survey of Japan, v. 54, p. 131–159.

Comment

To browse or post comments, you must log in.Log in