Presentation Information
[T12-P-1]Physical and mechanical anisotropy and geological structure in siltstones of the Mio–Pleistocene forearc basin
*Nana Kamiya1, Eito Omi1, Weiren Lin1 (1. Kyoto University)
Keywords:
Siltstone,Anisotropy,Physical property,Mechanical property,Fold,Forearc basin
弾性波速度や比抵抗に代表される岩石物性は異方性を有し,結晶質な岩石では構成鉱物の配列方向や亀裂分布,堆積岩では地層面などに起因する.シェールやベレア砂岩といった縞模様が明瞭な砕屑岩については,弾性波速度が層理面に平行方向で大きく,直行方向で小さくなることが知られている(例えば,Juergen H. Schon, 2015).同様に,砕屑岩であれば,間隙率が50%程度の半固結状態の岩石であっても,異方性を有すると考えられるが,堆積・埋没過程においてどの程度から異方性を有するのか,詳細はよくわかっていない.また,地層が褶曲する際,変形した単層の中でそれらの異方性がどのように変化するかについても不明な点が多い.そこで本研究では,地質構造の中で岩石の物理的および力学的異方性がどのように分布するのかを明らかにするために,房総半島に分布する新第三系〜第四系前弧海盆から採取した堆積軟岩を対象に,岩石物性(P波速度,比抵抗,熱伝導率)と力学特性(引張強度,圧密降伏応力)の異方性度合いを算出し,その特徴を地質構造とあわせて考察した.
対象とした千葉県房総半島の新第三系〜第四系前弧海盆は、東西に分布する黒滝不整合を境として上総層群および三浦層群で構成される.三浦層群は,東西走向で東西方向に軸を持つ褶曲構造をもつのに対し,北部の上総層群は北傾斜の単斜構造となっている.試料は,両層群から,地層面の傾斜が約10˚–60˚の範囲で採取した泥質岩を用いた.上総層群の試料では,地層面に対して直交方向と平行方向の任意の2方向の計3方向,三浦層群の試料では,地層面に対して直行方向と平行方向(古応力の最大主応力および最小主応力方向)の計3方向をそれぞれ設定し,それぞれの方向で物性および力学強度を測定した.測定は,脱気水で十分に飽和させた試料を用いて大気圧下で行なった.岩石物性については,間隙率,P波速度,熱伝導率および電気伝導度,力学試験については,圧密降伏応力および引張強度を測定した.
測定結果をもとに異方性を評価したところ,上総層群ではP波速度,電気伝導度,熱伝導率の異方性度合いが,層準が古くなる(深度が増加する)につれて増加する傾向が明らかになった.各物性とも地層面に対して直行方向に比べ平行方向で大きくなること,また,引張強度が地層面に対して直交方向で小さくなることから,層構造の形成に起因する異方性であると考えられる.したがって,この異方性度合いの増加は,単斜構造では深度増加に伴う圧密の進行によって,層構造が明瞭になる様子を反映していると示唆される.一方,三浦層群では,褶曲の翼部か軸部かの違いによって,圧密降伏応力に明瞭な違いが見られた.褶曲翼部の試料では,圧密降伏応力が古応力の最大主応力方向で大きくなる異方性が確認されたのに対し,褶曲軸部の試料では,圧密降伏応力が古応力の最小主応力方向で大きくなる異方性が確認された.褶曲翼部と軸部での圧密降伏応力の異方性傾向の違いは,褶曲が形成される際,軸部外側には引張応力が作用することを反映していると考えられる.褶曲軸部での引張応力の痕跡としては脈の形成などで確認されてきたが,堆積軟岩の物理的・力学的異方性にもその痕跡が残されている可能性が示された.
Juergen H. Schon (2015) Physical properties of rocks: Fundamentals and Principles of petrophysics, Elsevier Science, p. 512
Comment
To browse or post comments, you must log in.Log in
