Presentation Information
[T12-P-17]Organisms and depositional environments of Upper Jurassic-Lower Cretaceous seamount limestones from Kitami area, Hokkaido
*Yuya TERAJI1, Natsuko ADACHI1, Toshio KAWAMURA2 (1. Osaka Metropolitan University, 2. Miyagi University of Education)
Keywords:
Jurassic,Cretaceous,seamount limestones,Reef limestone,Hokkaido
後期ジュラ紀~前期白亜紀のパンサラッサ海西域の陸棚に発達した礁性石灰岩は,本邦では,高知県佐川地域を模式とする鳥ノ巣石灰岩などから広く知られており,造礁骨格生物の種類や礁の発達,堆積環境などが検討されている(Kano, 1988; Ohga et al., 2013).一方,本研究対象の北海道北見地域に分布する仁頃層群の石灰岩(上部ジュラ系〜下部白亜系)は,パンサラッサ海の低緯度域に発達した海山を起源とし(榊原他,1993),同時代では稀な海山頂の礁の特性を理解する上で有用な情報を提供する(川村他,1995).本研究では,北見地域の相内・訓子府・上常呂地区に分布する石灰岩を対象に,各地区の生物相や堆積相を解析し,その形成場を復元することを目的とする.
各地区の石灰岩は,玄武岩質凝灰岩や泥岩に囲まれた数十cm〜数十m規模のブロックとして産出する.相内地区では,周囲を生砕物やウーイドからなるpackstone, grainstoneで包囲された幅数m規模のバイオハームも識別される.ケーテテス類,層孔虫類, 紅藻類,六射サンゴ類,ウミユリなどが豊富で,それら大型造礁生物と被殻微生物類のLithocodiumやBacinellaが被覆・連結することでboundstoneを形成する.礁の枠組間には,生砕物 (二枚貝,棘皮動物,有孔虫など), ペロイド状粒子,ウーイドを含むgrainstoneやpackstoneが充填する.その他に,巻貝や二枚貝を含むpackstone,ウーイドgrainstoneを礫として含むlime mudstoneなども観察される.訓子府地区では,lime mudstoneや wackestoneで特徴づけられる.後者では,プリズム状構造が特徴的な二枚貝が多く,他に,大型巻貝Nerinea,ウミユリ,有孔虫, 石灰藻類が産出する.まれに,それら生砕物と共にウーイドやコートイドも認められる.上常呂地区では,ウーイドgrainstoneが卓越するが,一部で二枚貝を含むwackestoneやlime mudstoneなども観察される.
相内地区の石灰岩は大型造礁骨格生物が豊富なboundstoneが多く,枠組間にウーイドを伴う.大型造礁骨格生物は被殻微生物類とともに,ウーイドが頻繁に流入する水流エネルギーの高い浅海環境下で,強固な枠組みを備えた礁を発達させた.上常呂地区では,ペロイドやウーイドに富むgrainstoneが多く,それらは海山頂縁辺部の砂州~砂堆で形成された.さらに,訓子府地区では二枚貝や巻貝が豊富なwackestoneやlime mudstoneで特徴付けられる.それらは水流エネルギーが低い,環礁中央部のラグーンで形成された.また,ウーイドの随伴は,砂州~砂堆からのウーイドの流入があったことを示唆している.今後,各地区の石灰岩の形成年代の詳細を底生有孔虫などの微化石やSr同位体年代を基に検討して,海山頂に発達した石灰岩の形成過程を復元するとともに,他地域の同時代の礁構造や造礁生物群集構成と比較し,パンサラッサ海域の礁の時代特性や地域性なども明らかにしていく.
(引用文献)
Kano, A. (1988) Facies, 18, 27–47. 川村寿郎他 (1995) 日本地質学会学術大会講演要旨, 141. Ohga et al. (2013) Island Arc, 22, 150–169. 榊原正幸他 (1993) 地質学雑誌99, 615–627.
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