Presentation Information
[T12-P-18]Biomarker-based reconstruction of organic matter source variations and turbidite formation in the offshore Shikoku slope-basin
*Masashi A IKEDA1, Hiroyasu ASAHI2, Yusuke KODAMA1, Ken SAWADA1, Go-Ichiro URAMOTO3, Minoru IKEHARA3 (1. Hokkaido Univ., 2. Hokkaido research organization, 3. Kochi Univ.)
Keywords:
Turbidite,Biomarker,Ocean drilling,Organic matter source,Offshore Shikoku slope-basin
四国沖・室戸岬沖の海底斜面内海盆は、南海トラフに近接する深海堆積場であり、半遠洋性の細粒堆積物中に多数のタービダイトを挟在する。このような斜面内海盆の連続堆積物は、第四紀における海洋環境変動の記録であると同時に、地震動に伴う海底斜面崩壊や洪水起源の高密度流など、短時間イベントによる物質輸送過程を保存している可能性がある(池原ほか, 2006)。本研究では、2021年8月に実施された地球深部探査船「ちきゅう」による掘削航海 SCORE Exp. 913により得られた C9037コアを対象に、半遠洋性泥および挟在するタービダイトを対象に、ステロイドおよび植物テルペノイドを中心としたバイオマーカー分析を行い、有機物の供給源や輸送過程を分子レベルで検討した。これにより、通常堆積時の有機物供給・堆積環境の変遷と、タービダイト形成時に供給された有機物の特徴を比較し、各タービダイトの起源および洪水・斜面崩壊・地震性再移動との関係を検討することを目的とする。
C9037 コアは、半遠洋性泥のシルトないしシルト質粘土に、粗粒堆積物が挟在する岩相ユニットで構成され、粗粒堆積物の岩相や挟在頻度等に基づいて、上位からサブユニットIA、IB、ICに区分される。サブユニットIAは 0〜約20 mbsf に相当し、火山砕屑性堆積物を挟在する。サブユニットIBは約20〜45 mbsf に相当し、主に厚さ20 cm 程度の極細粒〜中粒砂層を挟在する。サブユニットICは約45〜100 mbsf に相当し、厚さ5 mを超える乱堆積物や、1 m を超える極細粒〜中粒砂層を挟在する。これらの岩相変化を踏まえ、本研究では各サブユニットおよび挟在するタービダイトを対象に、バイオマーカー組成を比較した。
ステロイド組成は、多くの砂層において、陸上植物由来有機物の寄与を示す C29ステロイドが相対的に卓越する傾向を示した。また、酸化還元環境指標も砂層でより酸化的な環境を示す値をとることから、これらの砂層の多くは、陸域から供給された有機物を伴って斜面内海盆へ流入した洪水性タービダイトである可能性が考えられる。一方で、サブユニットIAの一部の砂層では、上記とは異なるステロイド組成および酸化還元環境指標の傾向が認められた。これらの層準では、砂層中に海洋有機物の寄与が相対的に大きく、より還元的な環境で堆積した有機物が再移動してきたことが示唆される。このことから、C9037コアに挟在する砂層の一部は、洪水起源の混濁流だけでなく、海底斜面上の堆積物の再移動を伴う地震性タービダイトとして形成された可能性がある。本発表ではさらに、砂層中およびその直上のT-mud、ならびに半遠洋性泥におけるステロイド組成および植物テルペノイド組成の変動を比較し、各サブユニットにおける有機物供給源とタービダイト形成過程の関係について議論する。
[引用文献]
池原ほか, 2006. 化石, 79, 60–76.
C9037 コアは、半遠洋性泥のシルトないしシルト質粘土に、粗粒堆積物が挟在する岩相ユニットで構成され、粗粒堆積物の岩相や挟在頻度等に基づいて、上位からサブユニットIA、IB、ICに区分される。サブユニットIAは 0〜約20 mbsf に相当し、火山砕屑性堆積物を挟在する。サブユニットIBは約20〜45 mbsf に相当し、主に厚さ20 cm 程度の極細粒〜中粒砂層を挟在する。サブユニットICは約45〜100 mbsf に相当し、厚さ5 mを超える乱堆積物や、1 m を超える極細粒〜中粒砂層を挟在する。これらの岩相変化を踏まえ、本研究では各サブユニットおよび挟在するタービダイトを対象に、バイオマーカー組成を比較した。
ステロイド組成は、多くの砂層において、陸上植物由来有機物の寄与を示す C29ステロイドが相対的に卓越する傾向を示した。また、酸化還元環境指標も砂層でより酸化的な環境を示す値をとることから、これらの砂層の多くは、陸域から供給された有機物を伴って斜面内海盆へ流入した洪水性タービダイトである可能性が考えられる。一方で、サブユニットIAの一部の砂層では、上記とは異なるステロイド組成および酸化還元環境指標の傾向が認められた。これらの層準では、砂層中に海洋有機物の寄与が相対的に大きく、より還元的な環境で堆積した有機物が再移動してきたことが示唆される。このことから、C9037コアに挟在する砂層の一部は、洪水起源の混濁流だけでなく、海底斜面上の堆積物の再移動を伴う地震性タービダイトとして形成された可能性がある。本発表ではさらに、砂層中およびその直上のT-mud、ならびに半遠洋性泥におけるステロイド組成および植物テルペノイド組成の変動を比較し、各サブユニットにおける有機物供給源とタービダイト形成過程の関係について議論する。
[引用文献]
池原ほか, 2006. 化石, 79, 60–76.
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