Presentation Information
[T6-P-5]Development of a vitrinite maturation model accounting for changes in reaction rate due to fault slip and its application to Nankai Trough core samples
*Shunya KANEKI1, Manami KITAMURA1, Takehiro HIROSE2, Arito SAKAGUCHI3 (1. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 2. Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 3. Yamaguchi University)
Keywords:
Fault rock,Vitrinite reflectance,Reaction kinetic model,Nankai Trough
近代的な地震観測網の構築以前に発生した地震の滑り挙動を推定する手法として、断層岩の熱履歴に基づく逆解析がある。最も頑健な熱履歴はシュードタキライトの形成であるが、その報告例は極めて少ないため、別の様々な熱指標が提案されてきた(Rowe & Griffith, 2015)。炭質物の熱熟成度もその一つである。例えば、南海トラフの巨大分岐断層浅部(海底下 271 m)から回収された断層コア試料は、局所剪断帯周辺においてのみ高いビトリナイト反射率を示した(Sakaguchi et al., 2011)。また、同試料に対する微量元素濃度分析の結果から、地震時の流体温度は250-300度未満であった可能性が示唆されている(Hirono et al., 2009, 2014)。この流体温度の制約を考慮しつつ、反射率データに対して既存の反応速度論に基づく逆解析を行った結果、同試料が経験した累積滑り量は 10–100 km オーダーという非現実的に大きな値となることが報告された(Fulton & Harris, 2012)。この問題は、既存の速度論モデルでは無視されている、地震性滑りによる反応促進を考慮することで解消できる可能性がある。
本研究では、断層滑りに伴う反応促進を考慮したビトリナイト反射率の速度論モデルを構築・適用し、南海トラフ浅部における過去の滑り挙動を再評価することを目的とする。研究の流れとしては、まず、断層滑りに伴う炭質物の反応促進を、摩擦仕事に対する活性化エネルギーの指数関数的減少として定式化し、既存の速度論モデルを修正する。次に、室内摩擦実験および実験後試料の分析結果に基づき、修正モデルに新たに導入された二つのパラメータ(活性化エネルギーの下限値と特徴的仕事)の最適値を決定する。最後に、修正モデルを南海トラフのコア試料に適用し、累積滑り量の推定値が既往研究と比べてどの程度変化するかを調べるとともに、得られた結果を南海トラフにおける観測結果や地震波速度構造と比較することでその妥当性を検証する。本発表では、現時点で得られている予察的な速報についてお伝えする予定である。
参考文献
Fulton & Harris (2012) Earth and Planetary Science Letters doi:10.1016/j.epsl.2012.04.012
Hirono et al. (2009) Tectonopysics doi:10.1016/j.tecto.2009.08.001
Hirono et al. (2014) Tectonophysics doi:10.1016/j.tecto.2014.04.020
Rowe & Griffith (2015) Journal of Structural Geology doi:10.1016/j.jsg.2015.06.006
Sakaguchi et al. (2011) Geology doi:10.1130/G31642.1
本研究では、断層滑りに伴う反応促進を考慮したビトリナイト反射率の速度論モデルを構築・適用し、南海トラフ浅部における過去の滑り挙動を再評価することを目的とする。研究の流れとしては、まず、断層滑りに伴う炭質物の反応促進を、摩擦仕事に対する活性化エネルギーの指数関数的減少として定式化し、既存の速度論モデルを修正する。次に、室内摩擦実験および実験後試料の分析結果に基づき、修正モデルに新たに導入された二つのパラメータ(活性化エネルギーの下限値と特徴的仕事)の最適値を決定する。最後に、修正モデルを南海トラフのコア試料に適用し、累積滑り量の推定値が既往研究と比べてどの程度変化するかを調べるとともに、得られた結果を南海トラフにおける観測結果や地震波速度構造と比較することでその妥当性を検証する。本発表では、現時点で得られている予察的な速報についてお伝えする予定である。
参考文献
Fulton & Harris (2012) Earth and Planetary Science Letters doi:10.1016/j.epsl.2012.04.012
Hirono et al. (2009) Tectonopysics doi:10.1016/j.tecto.2009.08.001
Hirono et al. (2014) Tectonophysics doi:10.1016/j.tecto.2014.04.020
Rowe & Griffith (2015) Journal of Structural Geology doi:10.1016/j.jsg.2015.06.006
Sakaguchi et al. (2011) Geology doi:10.1130/G31642.1
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