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[T6-P-7]Reconstruction of Stress Field around Subducting Seamount and Its Accretion Processes Using Shear and Extensional Veins★2026年度学生優秀発表賞受賞★

*Fuka TAKUWA1, Asuka YAMAGUCHI1, Makoto OTSUBO2, Yusuke SHIMURA3, Hanaya OKUDA4 (1. Atmosphere and Ocean Research Institute, The University of Tokyo, 2. Geological Survey of Japan, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 3. Nagoya University, 4. Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)
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Keywords:

Subduction Zone,Seamount,Mino belt


 海⼭の沈み込みは、沈み込み型プレート境界における地震発⽣プロセスに⼤きな影響を与える。近年数値モデル研究では、沈み込む海⼭の前⽅では上盤プレート内の断層形成による微⼩地震が増加し、その後⽅ではスロー地震が卓越することが⽰唆されている[1][2]。これらの研究を踏まえて、地質学的記録から実際に海山の前後でのどのような応力場であったのか、あわせて、その際の断層活動等に流体圧の貢献が大きいのかに注目した。
 本研究では、岐⾩県根尾地域に分布する美濃帯⾈伏⼭ユニット[3]を取り扱った。本ユニットはホットスポット起源の⽞武岩とそれに伴う⽯灰岩を含んでおり、海⼭の沈み込みと付加を記録すると考えられる[4][5]。⽞武岩が卓越する根尾川流域ヌクミ⾕において詳細なルートマップを作成するとともに、⼩断層および開口鉱物脈の⽅位データを⽤いて応⼒逆解析を実施した。
 応力逆解析を行う基礎情報として、ヌクミ谷の岩相は、玄武岩が卓越するドメイン1と、玄武岩に乏しいドメイン2に大別され、それらの境界には強い剪断変形が認められる。ドメイン1には連続して玄武岩が分布し、その基底には泥岩基質中に玄武岩・石灰岩・チャートブロックを含む厚さ約48 mの剪断帯が発達する。剪断帯中の玄武岩は著しく変形して泥岩基質中にブロックとして産し、面状カタクレーサイトを形成する。また、泥岩基質中の炭質物ラマン分光分析から、最高被熱温度は約270℃と推定される。一方、ドメイン2は変形の弱い砂岩泥岩互層およびチャートを主体とし、顕著な剪断変形を示さない。両ドメイン内で応力逆解析のために測定した小断層は107条、開口鉱物脈は213枚であり、小断層の多くは剪断脈を伴い、開口鉱物脈とともに方解石脈、石英脈および方解石-石英共存脈が認められた。
 小断層を用いた応力逆解析[6]の結果、高い応力比(約0.8)の応力状態Aと中程度の応力比(約0.5)を示す応力状態Bが認められ、互いに直交する。ドメインごとの解析では、ドメイン1からは応力状態A・Bの両方が、ドメイン2からは応力状態Aのみが検出された。また、小断層に伴う剪断脈を方解石脈・石英脈・方解石―石英共存脈に区分し、それぞれについて応力逆解析を行った。その結果、方解石脈は応力状態Aのみ、石英脈は応力状態A・Bの両方、方解⽯―⽯英共存脈は応力状態Bのみが検出された。一方、開口鉱物脈を用いた応力逆解析[7]では、小断層解析で得られた応力状態Aと主応力軸の方位は一致するものの、低い応力比(約0.2)を示す単一の応力状態が認められた。なお、ドメインや脈の鉱物種による結果の違いは見られなかった。
 岩相観察の結果から、ドメイン1と2はそれぞれ、切断された海山の一部と海山後方の堆積物に対応すると考えられる。まず、海山沈み込み初期にデコルマが海山上部に沿って発達し、海山の一部を切断する。海山切断後に海山断片と後方堆積物が接し、その後、それらがデュープレックス構造を形成しながら底付け付加した結果、現在の繰り返し構造が形成されたと解釈される。
 このモデルに基づくと、ドメイン1のみに記録される応力状態Bは海山の切断前あるいは切断中の応力状態に対応し、ドメイン1と2の双方に認められる応力状態Aは、切断された海山断片と海山後方の堆積物が接したのちの底付け付加時の応力状態を記録したものと解釈される。海山後方にある堆積物がドメイン2に対応するというモデルは、ドメイン2が応力状態Aのみを記録していることと矛盾しない。開口鉱物脈から復元された応力が応力状態Aと一致することから、開口鉱物脈の形成も底付け付加時であったと考えられる。一方、同じ応力方位であっても、小断層解析の応力状態Aの高い応力比と開口鉱物脈解析での低い応力比は、小断層と開口鉱物脈の形成の間で主応力軸の方位は維持されたまま応力比あるいは流体圧が変動したことを示唆する。

文献
[1] Wang & Bilek (2014) Tectonophysics, 610, 1–24.
[2] Sun et al. (2020) Nat. Geosci., 13, 249–255.
[3] 脇⽥(1991) 1/5万地質図幅「谷汲」
[4] Ichiyama et al. (2008) Lithos, 100, 127–146.
[5] Sano (1988) J. Geol. Soc. Japan, 94, 963–976.
[6] Yamaji et al. (2006) J. Struct. Geol., 28, 980–990.
[7] Yamaji (2016) Island Arc, 25, 72–83.

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