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[T6-P-8]Structure of the nappe boundary fault of the Permian accretionary complex in Kiku Peninsula, Northern Kyushu, Japan.

*Yuta ICHIZAWA1, Takumi SHIMOMATSU2, Arito SAKAGUCHI1, Mari HAMAHASHI1, Keisuke ESHIMA1, Qing CHANG3, Yuuki HAGIWARA3 (1. Graduate School of Sciences and Technology for Innovation, Yamaguchi University, 2. Chuo Kaihatsu Corporation, 3. Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)
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Keywords:

Permian accretionary complex,Nappe,Boundary fault,Zircon U-Pb dating,Fault core,Damage zone


 西南日本内帯には主にペルム紀付加体を源岩としている秋吉帯や周防帯などが広く分布している(磯崎, 2010)。秋吉帯は主にペルム紀に付加されて、弱変成作用を受けた付加体ユニットであり、周防帯は高圧低温変成作用を受けた変成ユニットからなる。周防帯は地殻深部へ沈み込み、変形・変成作用を受けたのち、隆起して、秋吉帯とナップ構造として接している(Wakita et al., 2018)。これらのナップ境界断層について調べることは、ペルム紀付加体の各地質構造体がどのように接し、形成されたのか、また、変成岩の隆起メカニズムを解明するためにも重要である。本研究ではペルム紀付加体のナップ境界断層とみられる断層が九州北部・企救半島、喜多久・柄杓田地域にて確認できたため、その境界断層および周辺の構造解析を行い、ペルム紀付加体の地質構造体のナップ境界の性状を明らかにすることを目的とする。
企救半島は主にペルム紀付加体からなる企救ユニットと呼野ユニットから構成されており、呼野ユニットの上位に企救ユニットが低角スラストによって接している(中江ほか, 1998)。企救ユニットは未固結変形相からなり、主に泥岩や砂岩、チャートなどの堆積岩から構成されている。呼野ユニットは塑性変形相からなり、主に泥質片岩やチャート、石灰岩などの変成岩から構成されている。本研究では企救ユニットの砂岩と呼野ユニットの凝灰質砂岩でU-Pb年代を分析し、それぞれ75ポイント、99ポイント測定し、約273 Maおよび約268 Maであることがわかった。
境界断層は海岸付近で確認でき、断層面の走向傾斜は東西走向で約60°北傾斜である。境界断層の断層コアは層厚約1.9 mのカタクレーサイトから構成されており、断層面近傍には層厚約0.5 mmのウルトラカタクレーサイトも確認できる。本研究では断層コアを破砕の程度や断層岩の種類から3つのレイヤーに区分し、破砕粒子の粒形分布図に基づき、粒径と累積個数の間のべき乗則の指数からフラクタル次元を決定した。レイヤー1は上盤側に層厚約15 cmのカタクラスティックな泥岩と緑色岩からなり、フラクタル次元は約1.53である。レイヤー2は層厚約0.5 mmのウルトラカタクレーサイトからなり、フラクタル次元は約1.90である。レイヤー3は下盤側に層厚約175 cmのカタクラスティックな砂岩泥岩互層からなり、フラクタル次元は約1.53~1.58である。このようにレイヤー2でのみフラクタル次元が高いことから歪の局所化が示唆され、全体でフラクタル分布を示すことから、脆性変形を起こしていることが明らかになった。
また、ウルトラカタクレーサイトではSEM観察により、針状結晶や流離組織が確認できた。これは周囲のカタクレーサイトでは認められないため、断層運動時に一部基質が溶融して地震性滑りを起こしたと考えられる。さらに、レイヤー1ではY-P構造の発達した複合面構造が認められ、境界断層の剪断センスは右横ずれ成分を含む逆断層センスであることが明らかになった。
境界断層の上盤側では小断層が顕著に発達していることが確認できる。そのため、本研究では断層コアからの距離に対する小断層の分布をプロットし、ダメージゾーンの厚さの推定を行った。小断層は境界断層から約100 mの範囲に発達しており、境界断層の傾斜が60°であることを考慮すると、ダメージゾーンは約80 mであると推定される。
本地域におけるペルム紀付加体のナップ境界断層は、脆性領域で変形した逆断層センスの震源断層であると考えられる。従来研究のペルム紀付加体のナップ境界はHirayama (1992)によって山口県須万地域において報告されており、塑性―脆性相で変形を受け、正断層として発達したと報告されている。本地域では、脆性相で逆断層センスとして接しており、これとは異なる接合モデルが示唆された。そのため、ペルム紀付加体においてより詳細なナップ構造の形成や構造発達を再検討する必要があると考えられる。

引用文献
Hirayama, Y., 1992, Jour. Geol. Soc. Japan. Vol. 98, No. 11, p. 1009-1030. 磯崎行雄, 2010, 地学雑誌 119(6) 999-1053. 中江訓, 尾崎正紀, 太田正道, 藪本美孝, 松浦浩久, 富田宰臣, 1998, 地域地質研究報告, 福岡(14), 第34号, NI-52-10-1. Wakita, K., Nakagawa, T., Sakata, M., Tanaka, N., Oyama, N., 2018, Geological Magazine 158(1):1-17.

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